2019年06月13日

カメラのシャッター音について

メシ屋で写真を撮る人が多い。
そんなことは最近の話ではなくて、もう何年も前からのことである。
特に、わたしのようなおじさんが行かない小洒落たカフェとかでは、インスタ女子がせっせと料理にスマホを向けてシャッターを切っているのに違いない。

ここで「シャッターを切る」について語らねばならない。
シャッターというのは、言うまでもなくカメラ用語である。
昔ライカM型という有名なカメラがあって(今もあるが)、ライカMは長方形の箱の前面にレンズが付いていてそのレンズを通った光が箱の後ろで待ち構えているフィルムに当たって露光し写真が写る。
で、レンズとフィルムの間に何も無いと、フィルムに光が当たりっぱなしになって写真が「真っ白な風景」になってしまう。
だからレンズとフィルムの間に遮光幕を置く。
写真を撮るときだけ遮光幕をちらっと開ける。
その時に遮光幕が超速く動いて鋭い音がする。
光をシャットするからシャッターである。
ということを今この文章を書いていて久しぶりに思い出した。

で、今のiPhoneのデフォルトのカメラアプリは「カシャッ」というシャッター音がする。
この音は日本以外に出荷されているiPhoneでは消すことができるが日本向けでは消せないらしい。
何やら日本らいしい繊細な話ではあるが、しかしシャッター音が「カシャッ」と鳴ると「写真を撮った」という気分が盛り上がるのも事実である。

だからiPhoneには光を遮るシャッターはどこにも入っていないけれど、それでも「カシャッ」とシャッターらしい音がするのは、「今確かに写真を撮ったよ」というひとつのシンボルである。
他人がカメラを持って自分を撮ってくれている時、シャッター音が鳴ると「ああ今写真撮ったな」というのが直感的に伝わってくる。
フィルムの時代には撮影画像を直後に確認するということが基本できなかった。
だからシャッター音は、写真を撮った確かな感覚として重要だった。
時々フィルムを入れ忘れたままシャッターを切っていて、フィルムが入ってないからもちろん写っていないんだけれど、それでもシャッター音が鳴っている限り「写真を撮っている実感」は確かにそこにあった。

今のカメラもフィルムは電子的撮像素子に変わったけれど一眼カメラなどには昔ながらのシャッターが付いていて、正真正銘のシャッター音を鳴らしている。
でも、電子的なオンオフで撮影ができる今のデジカメでは必ずしもシャッターは必須でない。

それで思うのだが、将来すべてのカメラから「シャッター」が消えたとして、「シャッター音」はその時でもまだ生き残っているのだろうか。
ちなみにわたしのiPhoneは200円くらい払って「無音カメラ」アプリを入れているので、だいたいスマホ写真はシャッター音なしで撮る。

あの「カシャッ」にはある種の精神作用があるような気がして、そういうことでは、世の中に「正真正銘の機械のシャッター」を切ったことのない人の割合が99.999%になった未来にも、あの「カシャッ」は生き残っているような気がする。
posted by ヤス at 11:27| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
なんで無音にしてるの?
そこが知りたいわ!
にこにこ
Posted by aoko at 2019年06月13日 12:33
ヒミツ。
Posted by ヤス at 2019年06月13日 18:33
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