2019年05月21日

高度プロフェッショナル制度適用1人

「高度プロフェッショナル制度」がこの4月から施行されて、適用されたのが全国で1人しかいないという衝撃のニュースが流れている。

「高度プロフェッショナル制度」についてちょっとおさらいしてみる。
年収1075万円以上で「金融商品開発」「ディーリング」「アナリスト」「コンサルタント」「研究開発」の5業種が対象。
適用には本人と労使委員会の同意が必要。
年間104日以上、4週に4日以上の休日を確保すること、あと健康管理のためのいくつかの措置が必要などの内容が制度の中身である。

適用された人には時間外手当や深夜休日の割増賃金が適用されない。
その代り、適用された人は好きな時間に出社し好きな時間に退社できる。
理屈上は、成果さえ上げれば出社しなくても良いのだろう。
逆に、年間休日104日(および有給休暇)を除いては一日24時間ぶっ通しで働いても差し支えない、制度の内容を見るとそのように解釈できる。

今回唯一適用された1人は、研究職の人らしいけれどどういう気持でこの制度を引き受けたのかかなり気になる。

これで総務の人から「残業時間が制限を超えているので早く帰って」とか注意されなくてすっきりした、ということなのだろうか。
あるいは逆に、これで一日10分ほど会社に顔を覗けるだけでいい、8時間労働の義務を気にせず自由に研究できて良いと思ったのだろうか。

「高度プロフェッショナル制度」はその内容をあらためて見てみると、それは時間無関係にしっかり成果を出すためのものというよりは、やはり「労働時間の上限をはずす」方向に向いた制度であるように思われる。
しかし日本には現実問題、労基署の目をかいくぐって「労働時間の上限なく」働いている人々がたくさんいるのは間違いない。
それらの人々は会社からなかば強制されて働かされている人もいるだろうが、中には自らの意思で自由に長く働きたいと思っている労働者もまあまあたくさんいると想像される。

今回そういう労働者たちが「高度プロフェッショナル」として出てこなかったのはなぜなのか。
それらの多くが対象5業種に入っていなかったということもあるのだろう。
しかしコンサルタントや研究員で、もっと思う存分長時間働きたいという変態もいくらかはいるだろうに、それらの変態たちはどうしたのか。

たぶんそういう変態たちは、既存の労働法制の中でもそれなりに自由に長時間働いていたのではないか。
時間制限なく働くということでは、スタバでパソコンを開いたり自宅の書斎で仕事をしたりすればよく、わざわざ妙ちくりんな制度を導入するまでもない。

「高度プロフェッショナル制度」は労働者のニーズによる制度ではなく、あくまで企業側の熱望により実現した制度であるように思える。

おそらく経団連とかの思惑としては、今後対象5業種を広げていったり、労使委員会や本人同意の条件を緩和していったりして「企業都合による適用」が出来るように、徐々にしていきたいのだろうと推測する。

そういうことでは今後の制度の「拡充」の動きに要注目だと思った。
posted by ヤス at 11:54| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
研究員は
わからないけど

コンサルタントって
自営業が多いんじゃない?

会社組織にはまらない人がなる職業なんじゃないかと?
Posted by aoko at 2019年05月21日 13:18
ちゃんと勤め人もいる。
Posted by ヤス at 2019年05月21日 13:40
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