2018年11月27日

いずも型の空母化に反対する

今朝ニュースを見ていたら海上自衛隊のいずも型護衛艦を空母化することが、新しい防衛大綱に盛り込まれる方向で最終調整というのが流れていた。

いずも型の空母化については以前にも書いたが、意味がないので止めた方がいいと個人的には思っている。
そして、いずも型空母化に反対する批判記事もちょいちょい出ている。

いずも型の空母化をなぜ止めた方がいいかというと、日本の防衛力強化に全く役に立たないと思うからである。
ニュース記事によると、この空母化の目的は「中国が海洋進出を強める中、尖閣諸島を含む南西諸島の防衛力を強化する狙い」からだそうである。

地図を見ると、尖閣諸島は沖縄の那覇から直線距離で300kmくらいのところにある。
これはスーパークルーズ(超音速巡航)能力を持つF35Aステルス戦闘機なら20〜30分で到着できる距離だ。
F35Aの作戦行動半径は約1000kmなので尖閣は那覇を起点とすればその半径に余裕で収まる。
しかし今度の防衛大綱の構想では、この状況でいずも型を空母化し搭載機として垂直離着陸型のF35Bを新たに調達して尖閣防衛に当たらせる計画らしい。
F35BはF35Aの1.2倍以上の値段がするし、胴体内に大きなリフトファンを装備するので燃料搭載量や兵装搭載量もやや劣る。

それでもF35Bが開発されたことの意味は、排水量2万トン程度の小型の空母で運用できる戦闘機にいくつかの国(おもにアメリカ海兵隊、イギリスなど)で需要があるからだ。
しかしその需要の中身は、近くに適当な空軍基地のない遠隔地にリーズナブルに空軍力を投入したい、というものである。
実際に1982年のフォークランド紛争でハリアー戦闘機を各10機程度搭載した軽空母2隻を投入したイギリス軍は、フランス製攻撃機にエグゾゼミサイルを装備したアルゼンチン軍を相手に威力を発揮したという実績がある。
ただその時も2隻の軽空母からの出撃回数は1日1回が限界で、計20機の出撃が1日のMAXだったらしい。
またアルゼンチン空軍の攻撃機は数が足りていなくて、最後まで英軍空母を射程に捉えることができなかったが、もし十分な機数の攻撃機が飽和攻撃をしかければ英軍空母群はあっけなく沈んでいただろうと思われる。

海上自衛隊のいずも型2隻を空母化すると、仮想敵国の中国の最重点目標はこの空母群になるのは明白なのである。
アルゼンチン軍と違って数量的には十分以上に揃えている中国海空軍の攻撃機が一斉に海自空母群に殺到したら、これを完全に防ぐのは難しいのではなかろうか。
そうすると1隻およそ1200億円、搭載機のF35Bが10機として1500億円くらい、2隻合計で約5000億円が海の藻屑に消えることになる。

そうならないためには防空用のイージス艦を増産して空母群に張り付ける必要がある。
(いずも型が空母化するとたぶん実際そうなる)
そうすると、その分の予算がさらに掛かるということになる。

そんなことをするくらいならより高性能のF35A型を少なくとも沈没の恐れのない陸上基地から飛ばした方がずっと合理的なのである。
そうなると、海自が空母を持ちたいのはただ「空母を持ちたい」という気分の問題であるのか、あるいは中東あたりまではるばる遠征して集団的自衛権の行使でももくろんでいるのかということになる。

いずれにしても「いずも型」の空母化は防衛予算だけ無駄に使って得るところが全くないので止めた方がいい。
そのように思うのである。
posted by ヤス at 09:48| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
5000億かぁ

人口一億人として
1人あたりの負担金5000円ってことになる

これは高いのか安いのかわからんことになってきた
????
Posted by aoko at 2018年11月28日 12:56
はしたがね。
Posted by ヤス at 2018年11月28日 15:35
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