2018年10月14日

最古の思い出

歳をとると、よく昔のことを思い出す。
「昔のこと」の分量が増えているからまあ当然だ。
だが一定年齢以下の幼少期のことはあまり思い出さない。
それは現在からの距離がより遠いということもあるし、幼少期は今以上に脳みそがアホだったのでそもそも憶えていないということもあるだろう。

しかし断片的ながら憶えていることもある。
そういう記憶は、たぶん数年おきにたまに思い出して、何十年も前の幼少期の記憶ではあるが「何年か前に思い出したこと」を思い出す、そういうふうに記憶をリレーする感じになる。
だから憶えているのではないかと思う。

わたしの記憶の中で最古のものは、まだ幼稚園にも行ってない頃、炊飯器に入っていたおひやご飯に直に手を突っ込んで、手をごはん粒だらけにしながらそれを食らっている情景である。
炊飯器に手を突っ込みつつ、こちらに向けてにっこり笑っているキュートな写真もあった。
その写真が今もあるかは知らない。
ひょっとしたら「炊飯器に手を突っ込む情景の記憶」は、成長後にその写真を見て事後生成されたのかもしれない。
そういう風に思わなくもない。

もうひとつ憶えているのは、幼稚園くらいの時だったかもしれない。
その頃ウサギ小屋のような小さい団地に住んでいて、すぐ隣だったか1軒はさんで隣だったかに、同い年のサトシ君がいた。
わたしはほぼ毎日、サトシ君の家の前に行って「さーとーしーくん、あーそーぼー」と叫んだ。
そしてサトシ君の家に上がって遊んだ。
反対にうちの家にサトシ君が上がることはあまりなかったのではないか。
それは今思えば、サトシ君の方から遊びに来ることがほとんどなかった証拠のような気がする。

サトシ君と遊んでいて、ひとつ憶えている具体的事件がある。
夏の暑い時とかにサトシ君ちに行くと、ガラスの器に氷が山盛りになって出て来たのだと思う。
それをガリガリかじっていた。
ある時その氷を一粒、洗面台に持って行って蛇口から出る水に晒した。
氷は水に打たれて、あっという間に溶けて無くなった。
さっきまであった氷が消えて、アホガキのわたしは驚いた。
それだけの話だ。

サトシ君ちには何百回も遊びに行ったと思うが、ある頃からサトシ君はなかなか出て来なくなったのだと思う。
サトシ君のお母さんが出てきて「サトシは今、おひるねしてるの」とかなんとか言ってなかなか出て来なくなったような気がする。
わたしにはそれが、子供だましの下手な言い訳だと分かっていた。
わたしが性格がひねくれて人を信用しなくなったことには、このことが深層心理において少し影響しているかもしれない。
そのようなことを思い出した。
posted by ヤス at 11:19| Comment(3) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
サトシ君ちで何しでかしたん?

とも君とは遊んじゃダメよ!
🙄
Posted by aoko at 2018年10月14日 12:18
追伸

きっとサトシ君は立派なおじさんになってるよ!
あの時
とも君と遊ばなくなったから!

めでたしめでたし
Posted by aoko at 2018年10月14日 12:22
この文章の趣旨はもちろん「サトシ君のその後」ではありません。
Posted by ヤス at 2018年10月14日 15:22
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