2018年07月09日

リスクの中に住む

塩野七生の著作「ローマ人の物語」に書いていたことで、古代文明都市のローマがテベレ川沿いの「七つの丘」から出来上がったというのをちょっと思い出した。
七つの丘は、文明都市のローマが始まる以前から人が住み始めていたらしいが、都市の成立後はここに神様が祀られたりして象徴的な役割も果たすようになったようである。

ローマの母なる川であるところのテベレ川はぐねぐねといたるところで急なカーブを描きながら地中海に注いでいるわけだが、その蛇行のようすを見るに、たびたび氾濫を起こしてローマ市民を悩ませただろうことが推測される。
この一帯で人が最初に定住を始めたというのが水害の及ばない丘の上だったというのは、そういうテベレ川のリスク対策ということもあったのではないかと勝手に思っている。

人類が猿と違っているポイントはいくつもあると思うが、他の獣などと比べてももっとも違っていることのひとつは「どこにでも住む」ということだと思う。
人類は出身地の暑いところはもちろん、北極圏周辺の極寒の地にも多く分布している。
あるいは現在の日本列島のような、地震や火山活動の盛んな場所でもかまわず住んでいる。
人類が散らばっていった先々で直面するリスクは天候や地質的なもの以外に、ライオンやトラやヒグマやオオカミなどの猛獣類などももちろんある。

人間は技術が進んで、気温の高低に対しては家屋や衣類やエアコンの工夫で乗り切ることができる。
あるいは猛獣などの天敵に対しては、弓矢や鉄砲でいつしか彼らを圧倒できるようになった。
そういうことで、自然状態の人類にくらべると現在の文明下の人類はかなりリスクを少なくして暮らすことができている。

ローマ人も安全な丘の上でずっと暮らしていれば良かったのになあと思ったりするのだけれど、やっぱり文明化が進むうち、川沿いの平地とかにもどんどん建物を建てて生活圏を広げて行く。
たぶんあぶないのは承知の上だ。
そういうリスクのあるところにもどんどん広がって行くのが人類というもののサガであると思う。
というかリスクのない住み場所というのは基本的にはこの世にないので、あんまり気にし過ぎも楽しくないとは思うのだが、その住み場所のリスクのことをいつも頭の片隅に入れて暮らすようにしないといけないのだなあ、と思った。
posted by ヤス at 12:03| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
もしかしたら
上から飛行機が降って来るかもしれないもんね

どこに住んでても
運を天に任せて過ごさねば
Posted by aoko at 2018年07月10日 19:47
飛行機はめったには落ちてこないと思うよ。
Posted by ヤス at 2018年07月10日 21:15
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。