2018年06月10日

創造性とは

よく家電製品の注意書きに「こんな使い方は絶対にしないでください」みたいなのがある。
たとえば暖房器具のコタツに、上下ひっくり返した上から布団を掛けたり横倒しにして使う絵が描いてあって、その絵の上に大きくバツ印がしてあったりする。
はたしてそんな使い方をする奴がいるんかいな、とか思うわけであるが、まあ中には変わった使い方をする人もいるのかもしれない。
本来の使用法からは隔絶した使い方をされて事故が起きたりしても、そこまではメーカーとしても面倒は見きれないであろうから、ああいう注意書きを書く理由もまあなんとなく分かる。

しかし世の中には、メーカーが想定していなかった使用方法をあえてユーザーに考えてもらうというような、従来にはあまりなかった製品もあったりする。
それでぱっと思いつくのは360度パノラマカメラのリコーのシータである。
ユーザーが考えたこのカメラの「新しい撮影方法」の中には、空中高く放り投げて、その飛行中の動画を撮るというのがあったと思う。
当然ながら放り投げた後、落ちて来たカメラをキャッチし損ねるリスクが想定される。

しかしこの撮影方法はよほど面白い絵が撮れたのだろう、後に空中放り投げ専用のボール型360度カメラをドイツのメーカーが開発したとかいうニュースが流れているのを見かけた気がする。

このように当初の想定を大幅に超える使用方法がある製品というのは、なんだか非常にクリエイティブな感じがする。
というか、創造主の意図を超えてさまざまな使われた方をするというのは、創造性そのものだと思われる。

それに比べるとコタツの注意書きは創造性に乏しい感じがする。
むろん電熱を使った暖房器具の場合、火災事故の可能性もあるのであんまり創造的な使い方をされるのは困る。
逆に考えると、多少乱暴に使っても危険がないような製品は、創造的使用に関し可能性が高いと言えるのかもしれない。

芸術作品なんかでも、絵画でも音楽でも映画や小説でも、創造主がある思いを込めて作った作品が、受け止め手のところに到達した時点でそれぞれの多様な受け止め方をされるということがある。
そういう懐の深さ、解釈の幅の広さこそが芸術の本質であろう。
受け止め手ごとにいろんな「響き方」をする作品こそが、きっと良い芸術作品なのである。

そうやって考えると、「作者の意図は正確にお客さんに伝わったか」というような作品の評価方法は少し違うような気がしてくる。
作品とそれを鑑賞する受け取り手の関係性の中で、受け取り手が10人いれば10通りの思いが創造されること、そういう部分にこそその作品の創造性や芸術的価値はあるのだ、というようなことをちょっと思った。
posted by ヤス at 11:37| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
安原さんが書いてる小説も受け止め方
10人10色なんだね
きっと

小説の取説も付けてる?
Posted by aoko at 2018年06月11日 12:19
そーいうこと
Posted by ヤス at 2018年06月11日 12:58
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