2018年06月06日

外国人労働者受け入れ拡大

5日の経済財政諮問会議で安倍首相が外国人労働者の受け入れ拡大を表明したらしい。
現在の日本では、年間に15〜64歳の就労労働人口が50万人超のペースで減少している。
ちまたの飲食店や建設業界や介護業界などではかなり前から労働力不足が深刻化していた。

日本に90日以上長期滞在する外国人はビザが必要になるわけだが、現在日本の就労ビザは大学教授や芸術芸能活動目的など、かなり限定された分野のものしか認められていない。
これを介護や建設などの比較的「単純」な労働分野にまで拡大して現状の「単純労働者」不足に対応しようということらしい。

この間も書いたが現在の日本には250万人を超える外国人が在留している。
このうち「労働者」として在留している外国人は2017年10月末で128万人くらいになる。
この数字は前年同期比18%増になり、つまり年間20万人ペースで増えていることになる。
そうすると、国内の労働者人口の減少分が年間50万人で外国人労働者の増加が20万人なので、ざっくり毎年30万人の「労働者不足」が発生し続けていることになる。
ただしこれは国内労働市場が一定の場合である。

政府の目論見通り年間数%の経済成長を継続するには、さらに多くの労働者が必要になる。
あるいは、幸いなことに、経済が縮小して必要労働力が減れば労働者不足もマイルドなものになるのだろう。

わたしの個人的な考えとしては、外国人労働者の受け入れはやはり必要だと思う。
現在の状況は、その実は労働目的の日本滞在者が、名目上は留学生など「目的外」で入ってきていることで、このために外国人労働者受け入れのための制度整備がまったく不完全になっている。

今回の首相の表明はこのような社会実態に制度の方を寄せていかねばという意味合いもある気がする。

しかし他方でちょっとした思考実験をやってみると、例えば外国人労働者の受け入れをシャットアウトして、労働力が減るのに任せたらどうなるか。
人手不足で業務が回らず倒産する会社も出てくるかもしれない。
しかし各企業一層工夫して少ない人間で業務を回せるようになれば、懸案の「労働生産性」も少しは上がる気がする。
また、そうなれば安値安定している最低賃金水準も労働市場需給による自然増が期待できるかもしれない。

こういう状況は企業サイド、特に生産性向上のための原資が乏しい零細企業にとっては極めて厳しいものとなるだろう。
しかし労働者サイドから見ると、労働単価が上がるので悪い話ではない。

おそらく今回の外国人労働者拡大の考えは、経団連など産業界の要請に沿ったものである。
企業側としては将来にわたって安価な労働力を確保したいのは当然のことである。
しかし見方を変えて労働者サイドからはかなり厳しいものと言わざるを得ない。
特にコンビニや飲食店のバイトなど最低賃金相当で働いている人にとっては将来の収入アップの希望が絶たれることになりかねない。

ただ何度も言うようだけれど、この状況は日本経済の規模と単価がそれなりの高水準を維持していることが前提の話である。
10年20年後の日本で、労働市場がどうなっているかという長期的な展望こそが重要である気がする。
posted by ヤス at 10:24| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
アンドロイドアナウンサーも出現してるから
きっとそっち系で事足りるようになってたりして
Posted by aoko at 2018年06月06日 12:43
きっとそうなる。
Posted by ヤス at 2018年06月06日 13:03
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