2017年07月29日

日本国債について

前からずっと疑問に思っていたことがあって、それは日銀の保有国債の行方についてである。
日銀のサイトで貸借対照表を確認してみると、平成29年3月期(28年度)では日銀の総資産は4,900,893億円(要するに490兆円)になっている。
一年前に比べて85兆円増加している。

資産の中で一番大きいのが言うまでもなく「国債」で、3,491,955億円(要するに349兆円)である。
ちなみにそのうちの長期国債(10年以上)は3,018,986億円(要するに302兆円)。

ある議論によると、このおよそ350兆円の国債が日銀と日本政府の連結決算で相殺されて消えて無くなると言う。
日銀は政府が55%を出資している政府の子会社であるから、日銀・政府の資産・負債項目が相殺できるというのはいちおう理屈に合っている感じがする。

しかしそうなると、政府は日銀が引き受けることを前提に無限に国債が発行できることになる。
国債の日銀直接引受は財政法により禁止されている。
だから日銀は市場を通じて銀行から国債を買っている。
したがって、銀行が何かの理由(例えば国債価格暴落など)で国債を買わなくなると日銀は国債の「間接」引き受けができなくなり、そうなるとそこで日本政府はそれ以上借金ができなくなる。

話を少し元に戻す。
政府・日銀の連結で国債が相殺できると言うが、では実際に日銀が国債の債権放棄を実行したらどうなるのか。
これについてはネットで調べても本を読んでもどこにもズバリこうなる、という明瞭な答えが書いていない。
だからあてずっぽの推測をしてみる。

日銀が保有する349兆円の国債、日本政府の借金を債権放棄した場合。
3月末時点で日本政府の借金は1,071兆円あるのでそれが722兆円になる。
依然として多いがかなり減ることは減った。

しかし政府・日銀の連結バランスシートは債権放棄前と寸分変わらない。
損益的にも利払いの「行って来い」が無くなるだけなので変わらないはずだ。
問題はここでインフレになるかどうかだ。
一定水準以上のインフレになった場合、いわゆる「インフレ税」による国民負担が生じる。
日銀券は350兆円分の裏付け資産を失うのでその分のインフレになるのではないか。
ものの道理としてはこれが自然の流れのように思えてしょうがない。

さらに少し方向を変えて、日銀が今持っている国債を売却し始めたらどうなるか。
売却規模にもよるだろうけれど、日銀は現在年間60兆円国債を買い進めており(昨年まで80兆円だった)、それを止めるだけでもかなりの影響がありそうだ。
まず国債価格が下がる、言い換えると金利が上がる。
そしてインフレになる。

問題は、インフレ傾向に振れた時に日銀がそれに適切にブレーキがかけられるかどうかだ。
ブレーキが失敗して高率のインフレが生じるとやはり「インフレ税」により国民は窮乏化する。

ただしインフレの良いところは、これによって政府の借金が減ることである。
いずれにしても、政府の借金は国債という名の未来の税金か、物価上昇による「インフレ税」か、あるいは消費増税などなどによる直接の税金、そのいずれかによって弁済されるほかないのではないか、というのが、あんまり面白くもなんともないがわたしの当面の結論である。
posted by ヤス at 10:51| Comment(0) | 徒然なるままに
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