2017年07月26日

視点移動

将棋界のレジェンド、加藤一二三氏の必殺技に「ひふみんアイ」がある。
ひふみんアイの効果について、あるプロ棋士は「普通のプロ棋士なら頭の中で盤面をひっくり返せるのでわざわざ相手の後ろに回る必要があるのか・・・」と言っていたし、別のプロは「視界が変わり、それなりに新しい発想が得られるのでは」と語っていた。
一体どっちが本当なのだろう。

ひふみんアイの効能の是非はともかく、視点を変えるということはしばしば思いがけない新しい着想をもたらすことがあるのは事実だろう。

ホリエモンが中心的に関わって開発中のロケットが、いよいよ今月打ち上げられるらしい。
到達高度100kmに20キロ程度のペイロードしかないささやかなロケットであるが、今こういう小型のロケットに対するニーズがかなりあるという。
最近の電子機器の進化による人工衛星の小型化でロケットも小さくて済むようになっており、そなると衛星の打ち上げコスト全体がかなり下がる。
コストが下がると様々な用途の人工衛星の商業化が企画されるようになって市場が一気に活性化する。

ところでロケットの商業化の発想は、わたし的にはかなりの視点変更に見える。

考えて見るとロケットの原型というのは、空気と燃料を混ぜて燃やすジェットエンジンなんかより遥か昔から存在する。
いわゆる「ロケット花火」式の火薬を詰めて飛ばす兵器は、今から千年前の中国ですでにあったらしい。
近代的な実用ロケットとしては第二次大戦中のヒトラーのV2ロケットが有名だ。

V2から30年足らずでアメリカのサターンロケットが人類を月まで運ぶところまで行ったけれど、その頃ロケットは重要な軍事技術であったためにしばらくはもっぱら、国家による宇宙開発と核兵器の運搬手段としてしか活用されなかった。

それがおそらく東西冷戦体制の終焉で、一気に民間企業の参入するところとなったわけである。
それともう一つはアメリカのスペースシャトル計画の予算的破綻というのも大きかったと思う。
国家主導でやっている限りコスト削減による商業化は進まないと気づいた人がいて、それで民間企業主体のロケット開発の流れが出来たのだと思う。

ロケットはV2から言っても、実用化からもう何十年も経った技術でそういう意味ではコンピューターなんかよりずっと枯れた技術だからとっくの昔に民間ベースの開発体制になっていてもおかしくなかった。
それが軍事がらみの国家独占体制が長く続いたために「ロケットは国家プロジェクト」的な発想がいつの間にか世の中に定着していた。

そういう一度できた固定観念を乗り越えて「ロケットで商売しよう」と思うのは実はかなり難しいことだと思う。

世の中にはロケットの固定観念と同じようなことがまだたくさんあると思うが、固定観念を打ち破るために意識して「盤面をひっくり返して考える」ような視点移動が大切ではないか、と思った。
posted by ヤス at 09:36| Comment(0) | 徒然なるままに
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