2017年05月06日

巡航ミサイル

アメリカがシリアの空軍基地に59発の巡航ミサイルを打ち込んだのが、もう随分昔のことのような気がする。
この巡航ミサイル「トマホーク」には色々な派生タイプがある。
1発あたりの調達コストはだいたい100万ドルから140万ドル程度らしい。
日本円で1.2〜1.5億円くらい。

この値段は、最大3000km飛んで命中誤差半径10mの無人ミサイルとしては非常に安いように感じる。

シリアに打ち込まれた59発(一説には60発撃って命中弾が59発だったともいう)は、日本円では70億円から90億円くらい。
発射プラットフォームの駆逐艦の運行費用が別にかかるとしても、これはかなりリーズナブルだと思う。

巡航ミサイルの炸薬量は454kgで、59発分の炸薬量を有人の攻撃機に搭載しようとするとF16が20機くらい必要な計算になる。
1機50億円ほどのF16を何機も動員して敵地に潜入する攻撃方法は、巡航ミサイルと比べるとはるかにリスクが高いのは明らかだ。
そういう意味で巡航ミサイルの存在は、アメリカ軍にとって大きな軍事オプションとなっている。
この巡航ミサイルのルーツがドイツ第3帝国のV1であることは有名だが、もっと遡ると第一次対戦中、ライト兄弟の人類初飛行から15年ほど後に無人の爆弾搭載飛行機として企画されたものもあるらしい。
そのプロペラ式の古風な無人飛行機は、簡易なジャイロ式の飛行安定装置でとりあえずまっすぐ飛ぶことを目標に開発が行われたが、所定の性能を得られずに開発中止になったらしい。

巡航ミサイルの肝はまさにこの誘導装置であって、現在のトマホークが実用化されたのは地形の凸凹を読み取りながら目標に向かうシステムが実用化されたからだという。

巡航ミサイルのシステムは、値段もそこそこ安く人命のリスク(攻撃側の人命リスク)も低く、命中精度も十分に高い。
また厚いコンクリートも貫通するタイプも開発中のようであるから、彼の国の首領様も安心していられない。

ただ問題は兵器がいかに高性能になろうとも、目標を選んで攻撃を意思決定し攻撃成果を評価する、その一連の流れをどれだけ正確に思慮深くできるかは兵器の威力以上に重要である。
今は爆弾の類でも化学兵器にしても無差別に大量に被害をもたらすことは比較的簡単であって、テロ行為と「テロでない攻撃」を隔てるモノは、攻撃目標選択の適切さとそこをピンポイントで狙う能力だろう、と思ったりした。
posted by ヤス at 10:45| Comment(0) | 徒然なるままに
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