2017年02月21日

東芝のガス損失1兆円の行方

またまた東芝の話だが、今度はアメリカ・テキサス州の液化天然ガスの売買契約を巡って、最大1兆円にのぼる恐れのある損失発生のリスクが判明したらしい。

ニュースの内容は、東芝がアメリカの天然ガスプラント運営会社との間で20年間にわたる天然ガスの「液化加工契約」を締結したものの、その後のガス市場価格の急速な低下により販売のめどが立たなくなり、契約から3年経過した現時点で売買契約を獲得できていないというもの。
契約を締結した当初は、日本におけるガスの価格が今の倍くらいで、はるばるアメリカの天然ガスを液化してLNGタンカーで日本まで運んでも十分に採算が取れていた、ということらしい。
しかし最近エネルギー価格の低下でガス価格も半分になり、今のままではわざわざアメリカ製のガスを高い値段で買う理由はどこにもない。

東芝が結んだ契約では、年間220万トンのLNGを購入することになっている。
この220万トンは市場価格でいくらになるのだろう。

ガスの値段は業界的には「BTU」という単位を使うらしい。
BTUはエネルギーの単位でおおよそ1055ジュール、252calだそうである。
なんだかものすごく分かりにくいのだが、エネルギー関連の商品は石炭とか石油とかガスとか色々な形状のものがあって、それらの分量を統一的に表現するために単位エネルギーあたりの価格表示を使う、ということなのだろう。

で、LNGは液体なので契約するときとかは分量表示に「トン」という重量単位を使う。
タンカーに積む時にその方が便利だから、ということなのかな。
とりあえずLNGはトン表示だが、ガスの価格はBTUを使うので面倒な換算作業が必要になる。
日本における直近の天然ガス価格は、百万BTUあたり大体9ドルくらい。
ちなみにヨーロッパでは5ドルほど、アメリカではざっと2.5ドルくらいのようだ。
(けっこう違うな)

1トンのLNGは大体52百万BTUに相当するそうだ。
したがって東芝が契約した年間購入量のLNG220万トンは10億ドル強、現在の円ドルレートで1100億円強になる。
これが20年間分だと約2兆円ということになる。

ニュースで言っていたい最大1兆円の損失というのは、実質2兆円分のガスを半値で叩き売った場合の損失、という意味になる。

問題はここからで、東芝ではこの損失を免れるために世界最大の天然ガス調達会社であるところのJERAと提携してなるべく損失少なくガスを売りさばこうとしているようだ。
JERAは東電と中電が合弁で設立した燃料調達会社。

もしこの提携が「うまく行った」場合、東芝の被った損失の多くが総括原価方式で東電と中電管内の一般消費者が払う電気代に転嫁されることになる。

げに、恐ろしい話である。
posted by ヤス at 15:41| Comment(0) | 徒然なるままに
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