2017年02月16日

産業政策の是非

東芝の今期3月末決算での債務超過が確実になった。
これによって東芝は東証一部から二部に降格になることが決定的らしい。
ただし東芝の場合、問題は買収した企業の巨額の含み損であるので、昨年のシャープの場合と違って直ちに資金繰りが行き詰まることはないのだろう。

で、念のために東芝のIRのサイトで確認してみた。
2016年3月期の現預金は9697億円ある。
四半期決算の資料で今期第二四半期(2016年9月期)を見てみると、5245億円。
かなり減っていることは減っている。
3月期末までのキャッシュの出入りの動向はよくわからないけれど、昨年までに各種の構造改革を実施済みで営業利益自体はそこそこ出る予想らしい。

ということで、かなり微妙な状況ではあるが、直ちに資金繰り難からの経営破綻という可能性は薄そうに見える。
ただし、そういうなまじ余裕のある状況が経営陣のタガを緩ませ、抜本的な対策に踏み込むことを躊躇させるのではないかという感じを個人的には懸念する。

東芝がこうなってしまった原因はいろいろあるのだろうが、巷間言われているように原発への過度な傾斜が問題の中心であることは間違いなさそうだ。
1979年のスリーマイル島原子力発電所の事故の後、アメリカの原子力産業は原発新設が完全にストップして、アメリカの産業界における脱原発の動きが始まった。

日本の産業界はこの動きを引き継いで官民手を携えて原子力に傾いていくわけだが、不思議なのは2011年3月の福島第一原発事故の後も多くの批判にさらされながらその方針を維持し続けていたことである。
現在の状況はどうだろう。
そろそろ経産省も方針転換を決意しただろうか。

原発に限らず、今の時代の日本に必要なのは「大方針の転換」、カタカナで言う所の「パラダイムシフト」であると思う。

詰まるところ、人間は変化する環境に合わせて自分の方を変えていくしかない生き物であると思われる。
人間の作る社会環境というのは、それは確かに人間が作っているものであることは間違い無いのだろうが、それはあまりに巨大で複雑であるために人間の意思では自由にならない。
そういうことを20世紀の100年をかけて人類は学んだはずであるのだが、日本の産業界や行政組織はそのことに目をつぶっているように見える。

あまり考えたくは無いが、これからも東芝以外に環境変化への対応を誤った企業が次々に経営危機に陥ることが危惧される。

ひとまず今後はあの「産業政策」というのは即刻やめた方がいい。
などと思った。
posted by ヤス at 09:55| Comment(2) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
三菱、三井、住友この三大財閥がもっと回復すれば日本経済が復活するって。
そんなもんなんかなぁ?日本の産業って。
Posted by aoko at 2017年02月16日 16:53
そんなもんじゃあないのは間違いない。
Posted by ヤス at 2017年02月22日 11:42
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