2016年12月22日

他力本願でない成長

このところ日経平均が急上昇している。
今月の初旬には1万8千円台だったのが、いつの間にか1万9千円台なかばに到達し、今日立ち読みした週刊誌には来年には4万円になる、と書いてあった。

実際にそこまで行くかどうかは分からない。
が、今月14日にアメリカFRBで利上げがあって今後もドル高が続く見通し濃厚のようである。
また、その以前に大統領選に勝利したトランプが減税と公共投資を掲げていて、アメリカ財政の赤字増加傾向が予測されているらしい。
その赤字予測から金利上昇が予想され、その影響でドル高円安がここまで進んだという解説が巷間伝えられている。
だから実際にトランプが大統領に就任して、減税と公共投資が予想通りに実現しないという「観測」が大勢を占めるようになると、ドル高局面が変化する可能性がある、ということである。


いずれにせよ、ドル高円安が進んで、それを受けて日本の株価は上昇を続けている。

株価は安いよりは高い方が良いのは当然だ。
しかしこの状況について、個人的には懸念を抱かざるをえない。

ひとつは、円安による株価上昇というのが企業努力の結果でなく他力本願によるものということである。

つい昨日くらいのニュースに、JDI=ジャパンディスプレイに産業革新機構から750億円追加支援するというのがあった。
JDIは日立・東芝・ソニーの液晶パネル事業を統合して出来た会社だそうだ。
このJDIでは支援資金を活用して新型ディスプレイの開発を加速させるらしい。
またJDIにとってもこのたびの円安はたいへんな追い風だろう。

しかし液晶パネル事業は巨額の投資が必要とされ、ここまで青息吐息のJDIに、個人的には明るい将来は無いと感じる。
ただ単純にいいものをコツコツつくるというだけが企業戦略であるように見えるJDIが、一時的にせよ円安で急場を凌ぐのは果たしていいことなのかどうか。


話を戻して円安の懸念のふたつ目。
今日本では経済格差の拡大とかが問題になっているが、今の時代円安という経済現象は、すべての国民にとって歓迎すべきこととは言えない。
輸出主体の製造業にとってはプラスであり、原料を輸入して国内で消費する産業にとってはマイナスである。
格差が生じるのは、ある現象でプラスになる人とマイナスになる人とが分かれる、マイナスの人からプラスの人に所得移転が生じているから、と言えると思う。
折しも原油価格もゆっくり上昇に向かっている。
輸入物価の上昇を受けて消費者物価が上がる公算が強いが、国内賃金がそれをカバーできるだけ上昇するか、というとかなり期待薄だろう。


ということで、今日本に必要なのは、円安とかの他力本願に頼ることなく経済を活性化させる「新しい何か」だと思う。
それが何かは分からないが、円安株高で政府やら日銀やら上場企業やらの偉い人々の危機感が薄れるとしたら、それはあまり良いことではないように思う。
posted by ヤス at 16:12| Comment(0) | 徒然なるままに
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