2016年11月11日

背広の意味

世の中のビジネスマンは、仕事中たいてい背広を着てネクタイを締めている。
しかしなぜビジネスマンは背広にネクタイなのだろうか。

背広は、もともと19世紀にモーニングスーツの裾を短くしたものであるらしい。
そのモーニングスーツはもともと乗馬服であって、それを短くした背広は元々は部屋着やレジャー用の服であったという。
それが20世紀に入ってからアメリカでビジネスマンが着用し始めて、ビジネスマンと背広の関係が生まれたらしい。

さらに背広、というか「スーツ」はベストをセットにしたスリーピースが正統であり、ツーピースはあくまで簡略版であるという。

わたしはファッションとかにはまったく無頓着であり、また若かりし頃は広告業界の製作現場で働いていて、その時はジーパンにTシャツで紙屑にまみれていた。
それが営業の仕事とかもするようになって、そうなるとスーツを着ないといけない、ということになった。

しかし仕事の時のドレスコードがこのようにきっちり決まっているというのは、考えてみると不思議な事だ。
ビジネスマンが着用するスーツの持つ記号性には、はたしてどのような意味があるのだろうか。


純粋に機能性だけで考えるなら、個人的にはジャージにTシャツが動きやすくて快適で良い。
特に夏の暑い時はTシャツに短パンが絶対的に快適である。
そういう意味で小池百合子東京都知事が環境大臣時代に推進した「クールビズ」は画期的だった。
クールビズは画期的だったけれど、しかしもう一歩踏み込んだらさらに素晴らしかったと思う。

夏の間はもう服装自由。
あまり露出が多いと問題であろうが、Tシャツやポロシャツとかで仕事が出来ればもっと良かっただろうと思う。

しかし、クールビズは基本的にはスーツ姿から上着とネクタイを省略したものであり、「仕事の場にはスーツ」の文法は、かろうじて維持されている。

まあIT系の企業とか、ギョーカイ系の職業とか、従来からわりかし服装が自由なものもあったけれど、現状、多くのホワイトカラーは今もってスーツの着用を基本線に、ネクタイを締めたり外したり程度のバリエーションの幅の中に収まっている。


上着を着てネクタイを締めていると、この人は仕事中の人という気分が強くする。
スーツさえ着ていれば仕事中の空気を出せるのは、まあ考えようによっては便利かもしれない。

また、いつもはスーツの人が職場で私服姿で座っていると、この人は休みの日なのに出て来て仕事をしている感じ、がぱっと見で感じられて説明の必要がない。

国会議員の先生は、議場では服装規定で上着とネクタイの着用が決まっているそうだが、その格好で議場に居るとNHKの中継で映った時とかに、この人達は今仕事をしているのだなという無言の説明になって都合がよい。

そんなこんなで多くのビジネスマンがスーツを着るというお約束は、考えようによってはかなり便利なものかもしれない。
またそのお約束を最初に仕掛けた20世紀初頭のアメリカのビジネスマンは実はかなり偉大だったのかもしれない、と思った。
posted by ヤス at 17:09| Comment(0) | 徒然なるままに
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