2016年08月13日

プレミアムフライデー

ニュースによると、政府や財界で金曜日の午後3時に退社する「プレミアムフライデー」構想が検討されているらしい。
なんでも政府が目指しているGDP600兆円を実現するには、現在の個人消費300兆円を360兆円に引き上げることが欠かせないという。
金曜日の仕事を早く終えることによって、ある人は外食に出かけある人は土日も利用してこれまでより遠出をするかもしれない、ということのようである。

ネットニュースのコメント欄を見たところ、こんなことをしても効果はない、という意見がたくさん寄せられていた。
コメントでは、省庁でも企業でも長時間労働で苦労しているのに、週の一日だけ労働時間を短くしても他の日にしわ寄せが来るだけ、というようなコメントが多かったようである。

これまでの「ゆうかつ」などの事例などを見ていると、おそらくこの「プレミアムフライデー」は、よほどの反対意見が出ない限りは実行に移されるのではないかと思う。
さて、実際に消費押し上げの効果はあるのか。
また導入した省庁や企業で混乱や弊害は起きないか。

わたしもこのニュースを最初は懐疑的に受け止めた。
しかし一方で、最低賃金の引き上げや同一労働同一賃金の法制化などと比べた時に、実はこちらの「プレミアムフライデー」の方が有効に機能するのではないか、という気が少しだけしてきた。


現在の日本の労働施策において、もっとも根本的な問題は賃金の支払原資の確保であると考える。
少し前までの円安局面では、輸出の多い大規模製造業を中心に利益が大幅に増加した反面で、政府が期待するほどそれらの企業の給料は増えなかった。
これは増益要因が円安による一時的なものと各企業が認識していたからで、その判断は企業経営としてまっとうである。

ではどうすれば給料が増えるかというと、労働生産性が増えた時、つまり従業員のパフォーマンス向上で利益が増えれば企業が給料を増やす正当な理由になる。
世の中では日進月歩でコンピューターの性能が上がり、仕事に使う設備やメソッドは日々新しくなっているはずなのに、日本ではなぜかあまり生産性が上がらず給料も増えない。


そして他の労働施策である最低賃金を上げることや同一労働同一賃金によって労働生産性が向上するのかというと、そこに論理的なつながりはあまり無いように思われる。

それに比べると、「プレミアムフライデー」は、労働時間の強制短縮ということだと思うのだが、労働時間の強制短縮は、生産性向上につながる要素がいくぶんかはある。
つまり労働時間の強制短縮は、今まで3人でやっていた仕事を強制的に2人でやらせる、と言うようなことだ。

これはかなりの荒治療であるが、生産性を確実・劇的に改善するためのある種の民間療法として実はずっと使われてきた方法である。

日本の多くの職場のダメなところは、仕事が無い時に従業員自らの創造性を発揮して何か自分にできる仕事を見つけ出してしまうことなのではないかと思う。
その見つけた仕事が企業の利益創造に貢献するものであれば問題ないが、多くはやはりただの「暇つぶし」なのではないかという気がしてならない。
従業員が自主的に仕事を見つけて自律的に動き出すこのカルチャーは、上司が楽ができてありがたいものであるが、一歩間違うと膨大な労働の無駄を創出するリスクが高い。

その無駄を職場から除くには、ギリギリのレベルをやや超えるほどに人を減らして(労働時間を減らして)真に取り組むべき仕事を厳選するように働く人の意識を変えていく必要がある。

「プレミアムフライデー」のニュースでそんなことを思った。
posted by ヤス at 15:55| Comment(0) | 徒然なるままに
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