2016年07月17日

絶対的水準より右肩上がり

この数日すこしだけ涼しい気がする。
といっても今日も気温30℃を超えて暑いことは暑い。
ただちょっと前までの35℃くらいの酷暑がほんの1〜2℃ゆるんで雲が出て日射が弱まっているだけで、かなり涼しく感じる。
気象庁のデータを見てみると、平年は7月も中旬頃までは比較的暑さは控えめで、梅雨が明けて20日頃から気温がぐんぐん上昇して「盛夏」に入るのがパターンらしい。
それが今年はいつもより早く暑さのヤマが来て、たぶんここ数日の「涼しさ」が本来の7月中旬の気温なのである。

で、気温の変化はビヤガーデンの売上やコンビニのアイスクリームとかユニクロの夏物衣料の動向を大きく左右し、そういう点で実体経済に影響を及ぼす。
しかしビールやアイスの売上カーブがクイッと上を向くタイミングは、絶対的な気温の高さよりも、気温の変化量の方が大きく影響するのだと思う。


私事ですが、2〜3ヶ月前に珍しく風邪をひいたことがあって、風邪というのは治るときはある朝目覚めたら昨晩の悪寒発熱が嘘のように治っていることが多い。
そういう風邪の治った朝は、まだ少し身体がウイルスと戦った疲労感とか節々の違和感とか残っていて万全の態勢ではないにも関わらず、妙に清々しい気分がする。
よく考えると健康な状態というのは、病気や怪我をしていないということではレベルゼロの位置にあるに過ぎないわけであり、風邪からの病み上がり直後はたぶん健康レベルがまだわずかにマイナスのはずである。
にも関わらず、それまでマイナス50とか100とかに低迷していたものが、マイナス20くらいまで
急回復すると、ものすごく回復した感じがあって気分が良い。
重要なのは絶対的水準より回復カーブが右肩上がりにプラスを向いているかどうかなのである。たぶん。

昔読んだ本で確か堺屋太一が書いた本だったと思うが、豊臣秀吉の朝鮮半島遠征は日本統一を成し遂げて既に国内に領土拡張の余地が無くなり、部下への恩賞が次第に困難になったことが原因の一つと書いてあった記憶がある。
秀吉は現代の資本主義社会と同じく、搾取対象となるフロンティアを求めて果てしなく拡張していないと組織秩序が維持できないという問題を抱えていたわけで、どうあがいてもいつか拡張が止まって自壊する定めだったのだろう。

しかし前述の気温変化やや病気明けの回復カーブの例を参考に考えるなら、たまにドーンと落ち込んでそこから時間をかけて上昇カーブを描くことで逆に社会秩序が保たれるのではないか。
実際1990年以降の日本は大きく落ち込んではゆっくり回復する、というパターンを2〜3回繰り返しつつ全体的には横ばいで進捗する、という感じで平和を保っている。
これはひょっとして新しい資本主義の在り方なのではないか。
そういう意味では消費税率を今度こそは思い切って上げて、それで一時的に景気が落ち込んでも、そこからゆっくり回復すればそれで10年くらいはみんな平和に暮らせるのではないか、と思ったりした。
posted by ヤス at 14:48| Comment(0) | 徒然なるままに
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