2016年02月23日

早く飛べ、先進技術実証機

防衛装備庁が三菱重工に開発委託している先進技術実証機Xー2の初飛行が、当初予定の2月から3月に延期された。
最近の新型機開発はスケジュールが遅れるのがお約束になっている。
またXー2は正式配備の予定もなく、数百時間の試験飛行を完了すればプロジェクトは終了である。
だから民間機のMRJの延期と違って関係者はそんなに焦っていないに違いない。

Xー2の後にいよいよ実用国産戦闘機の開発を期待する声も上がっているが、年間防衛予算5兆円の日本が総開発費が2〜3兆円、下手をすると5兆円以上掛かる新型機開発に単独で乗り出せるとは思えない。
おそらくアメリカとの共同開発になり、そこにオーストラリアやヨーロッパ、アジアの同盟国が乗っかる形になるのだろう。

その時にXー2の開発経験が活きてくる。
日本の得意分野は炭素複合材を代表とする素材技術であろう。
非金属素材はステルス技術的にも有利なはずで、より高度なステルス化も含めた機体まわりの技術についてはかなりのアドバンテージを発揮できるのではないか。

また自動車大国でもある日本は、もう何年も前から自動車の強度計算にスーパーコンピューターを活用しており、その成果は車体の軽量化や衝突安全ボディの実現に活かされてきた。
このあたりのノウハウもかなり役に立つと思う。

一方で日本の弱点は高出力の戦闘機用エンジンであると言われる。
今のところ国産エンジンで第一線の戦闘機に使えるスペックのものはまだ出来ていない。
だがおそらくそれ以上に日本にノウハウがないのはソフトウェア技術である。

考えてみるとゼロ戦の昔から、日本の兵器開発の弱点はシステム指向の意識の希薄さだったように思う。

戦闘機というのは戦闘システムの一部であって、目標地点近くまでミサイルを運搬するための運送手段である。
大昔は索敵、目標選定、照準して攻撃、の一連の流れを前線の戦闘機が全部自前でやっていた。
だから戦闘機には敵を上回る性能が求められていたのだが、今は地上のレーダーサイトや早期警戒機やイージス艦や軍事衛星などが周辺業務をかなり分担する。

昔、ゼロ戦の単機としての戦闘能力がアメリカ軍を上回っていた時の日本軍は強かったのに、戦争末期にBー29が飛んでくるようになったときには、レーダー網などの警戒システムを整備してシステマティックな迎撃体制を構築すべきであったのにそれが出来ず、相変わらずパイロットの個人技量に依存した戦い方しか出来なかったのが日本の実績である。

そして戦闘システムの構想開発とそのためのソフトウェア開発技術についてはやはりアメリカが数段上にいる。

ということで相変わらず先進技術実証機の存在意義についてはなんだか中途半端な感じがして少し心配なのだ。
まあとりあえず、無事に初飛行しているのを早く見てみたいというのは確かなのだが。

などと思った。
posted by ヤス at 11:17| Comment(0) | 徒然なるままに
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