2016年02月19日

同一労働同一賃金追記

一昨日書いた同一労働同一賃金についての追記。

現在の日本の企業社会では、同一労働同一賃金の実現は難しいと思う。

たしかにプロスポーツ選手とか運転手や料理人など、仕事内容の標準化が相当程度進んでいて業界内の人材流動化が活発な職業では、既に同一労働同一賃金的な仕組みがほぼ機能している。

介護福祉業界では人材不足で大変みたいだが、この業界なんかもそうだろう。


しかしそれ以外の仕事、例えば営業職について考えてみると、営業職の仕事内容というのは会社によってまちまちであろう。
新規の飛び込み営業とかルートセールスとか、物販とか保険などのサービス販売とか、いくつか類型化すればその仕事内容を標準化出来るのかもしれない。
実際、車の営業や保険セールスとか、特定の業界内ではある程度仕事内容が標準化されており、会社間の人材移動もあるだろう。
そうしてみると、営業職においては同一労働同一賃金が機能しうる余地があるのかもしれない。

しかし、小規模の会社であれば営業職が営業だけやるというのは難しく、商品開発やら現場施工やら経理事務やらいろんな仕事をやっているのが実状であろう。
場合によっては、5人くらいの小規模会社では全員が「何でも係」で、それぞれの得意技によって少しずつ仕事内容が違う、みたいなのが実情に近いのではないか。

わたしもかつて零細会社でサラリーマンをしていたときは、営業と制作と仕入管理とその他雑用をやっており、名刺の肩書きはずっと空白のままだった。

こういう状況では「同一労働」の定義付けがものすごく困難になる。



今進められている同一労働同一賃金の議論は、非正規雇用者の正規雇用化、または非正規雇用者の賃金嵩上げが大きな目的であるように思われる。
あるいは、非正規問題と一部重なる話ではあるが、女性の男性に対する賃金格差是正もあるのだろう。
だが前回言ったように企業は利潤追求が第一なので、格差がある程度解消しても、総人数を減らすとか給与水準の基準値を下げたりして総人件費の増大を押さえにかかるだろう。

だからどうやっても賃金の総額は増えない。


一方でプロ野球選手のようなきわめて特殊な専門職として、例えばマーケティングのプロを臨時に雇って売上拡大を図ったり、商品開発の手練れを招いて今までにない商品を作る、というようなことはもっとあってもいいような気がする。
そういうのは労働市場のごく一部の話になってしまって同一労働同一賃金的な話からはだいぶ遠ざかるが。

いずれにしても法規制で可能なのは格差をある程度是正することであって、実質賃金の拡大は企業の原理として無理なので、変な期待を抱かない方がいいと思う。
posted by ヤス at 11:37| Comment(0) | 徒然なるままに
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