2015年12月18日

ライト兄弟から112年

昨日12月17日は、ライト兄弟の世界初の動力飛行から112年目の日であったらしい。

ライト兄弟が初飛行した1903年当時、すでに気球や飛行船は出現していた。
また当時は、ガソリンエンジンの実用化が急速に進んでいた時期でもあった。
T型フォードの登場が5年後の1908年、そういう時代。

当時は空気より思い機械を空中に浮上させることについては懐疑的な考えが一般的であったにも関わらず、ガソリンエンジンや蒸気機関を使って空を飛ぶ研究開発が世界各地で行われていたようである。

ライト兄弟のアプローチは、グライダーで飛行操縦法を確立し、これにエンジンとプロペラで推力を与えればずっと飛び続けることができるはず、というものであったようだ。

ライト兄弟がグライダーの飛行実験で見いだしたのは、機体のローリングを制御することで、今の飛行機がエルロン=補助翼で行っているやつである。

ライト兄弟は柔らかい複葉の主翼をギュッとひねってこの制御を実現した。
飛行機が安定して「飛び続ける」には、このローリング制御が不可欠だった。

ライト兄弟の初飛行については、飛行距離が250mくらいと短かったこともあって、ただの跳躍、ジャンプに過ぎないという中傷もあったようである。

しかし兄弟の「ライトフライヤー号」は、ローリング制御によって原理的にはずっと飛び続ける能力があった。
少なくともライト兄弟は、そういう風に「飛び続ける」ことをイメージして開発していたはずだと思う。

動力飛行の正しい成功イメージは、ジャンプではなく飛び続ける能力を実現すること。
飛び続けるためには機体を思い通りに操る飛行制御が必要であったこと。
そして飛行制御の要点は、ローリング方向の制御。

鳩やカラスには補助翼は付いていない。
鳥の飛翔を観察しているだけではこの発見は出来なかっただろう。
発見のためにはグライダーによる実験で開発者自ら実際に操縦することが必要だった。


ライト兄弟のその後がかなり悲劇的だったのは有名であるが、飛行機のその後の進化は凄まじい。

世界初飛行の約10年後には第一次大戦で大量の軍用機が使用され、さらに40年後の第二次大戦では何百万トンもの爆弾が飛行機から投下された。
今の軍用輸送機は重量60トン超の主力戦車だって空輸出来る。

100年前に人間ひとり乗せてよろよろ飛んでいた時からの技術の進化は凄まじいのである。

だがこの進化もライト兄弟の飛行制御の発見から始まったのであり、その意味でライト兄弟はやはり偉大なのである、と思った。
posted by ヤス at 12:15| 徒然なるままに