2015年12月17日

2016年は転換の年かも

いよいよアメリカで利上げが発表された。
NYダウはこれを好感して値を上げたらしい。
そして現在の東証市場も昨日に引き続き上がっている。

利上げは株安につながる、と単純にいかないのがなんともややこしいところだ。
今の株価は少し前から今回の利上げを織り込んだ価格になっており、利上げ実現によって先行き不透明感が払拭されたことによる株価上昇、という解説がどこかに出ていたけれど、まあそういうことなのかもしれない。

なんだか2016年の世界は、2015年以前とはパラダイムの矢印の向きががらりと変わる予感がする。

ひとつはアメリカの利上げに象徴される経済の方向性。
2016年は世界的に金融緩和策からの転換が始まる年になりそうだ。
ひと月ほど前にノーベル賞経済学者のクルーグマンの「日本への謝罪」というブログ記事が話題になったようで、わたしはもちろんその原文を読んではないのだが、そこに重要な指摘があるらしい。

ひとことで言うと金融政策主導のデフレ脱却策は間違いだった、実需喚起によるインフレ誘導が必要だったと言っている。

クルーグマンは1990年代から日本に大規模な金融緩和を提言しており、今の日銀がその提言にそのまま乗ったのかどうか知らないが、ノーベル賞学者の理論が異次元緩和実施にあたって日銀の精神的支えになっていたことは想像に難くない。

ところがその支えの大学者が、自論の大規模な方針転換を表明した。
日銀は、表向きはどうか分からないが今後は水面下で緩和方針からの転換を模索し始めるのではないか。


経済以外では、アメリカ大統領選挙がある。
今はトランプの放言ばかりが話題になっているが、本命は民主党ヒラリー・クリントンであるようだ。
そしてクリントンの選挙戦略が前回2008年選挙の時と大転換して、黒人・アジア人・ヒスパニックや女性・性的マイノリティーなどの政治経済的弱者に的をしぼった選挙戦を展開して効果を上げているらしい。

ピケティの本が売れたりして格差問題への取り組みの土壌がだんだん整っている。
またオバマの選挙を通じて民主党はネットを使った個人献金集めのノウハウも蓄積している。
企業献金に依存することがなければ、企業利益に相反する政策実現のハードルが下がるだろう。

「ゆたかな中間層の復活」の政治トレンドは票になる可能性が高いという意味で、遠からず日本でもフォロワーが出現する気がする。

企業寄りの立場が明確な自民党一強の現在の政治状況では、対抗勢力がよって立つべきポジションは「中間層」周辺から票と資金を集める仕組みをつくることが必要だと思う。

ということで、2016年は金融緩和からの転換と中間層復権への動きが顕在化する最初の年になりそうだと思っている。
posted by ヤス at 11:34| 徒然なるままに