2019年05月25日

頭に被る日傘について

東京都が試作品を発表した「かぶる傘」。
それをかぶった都職員のおじさんのシュールな姿を見て、わたしは少し圧倒された。
あの試作品を被る役をめぐっては、これはあくまで想像だが、都の担当セクションで誰が被るのか相当に白熱した議論が交わされたに違いない。

見ようによっては江戸時代の参勤交代のお侍さんが頭に被る陣笠のように見えなくもない。
というか、ファッション上の観点からはいっそ現代風にデザインアレンジした陣笠を被った方が多少はしっくりくるのではないかと思ったりもする。

問題はなぜ傘を頭に被ることにしたか、そのあたりのアイデアの発展経路である。
いや、人間はあまり常識に縛られてばかりではいけないのは分かっている。

この頭に被るタイプの傘は、数年前から雨傘だか日傘だかで、ネットでちらほら見かけるものである。
たぶん発祥の地は中国ではないかと思う。
そのような既出感を踏まえると、今回の東京都の頭に被る傘は冗談としてもいまひとつ突き抜けて笑えない感じがする。

小池都知事のこの傘を発表する記者会見動画を見たけれど、どうも小池都知事は冗談ではなくて、この傘を本来の用途の日傘として本気で普及させようと思っているらしい。
ちなみに、記者会見中に都知事にうながされて傘を被って出てきた都職員の顔が、終始こわばった感じの苦笑いだったのがものすごく印象に残っている。

日傘を頭に被るかどうかはともかくとして、日傘というものが熱射病対策としてそれなりに有効なことは疑いがない。
わたしは走ったり歩いたりするのが趣味なので、暑い夏でも街なかをウロウロすることが多いのであるで、信号待ちで立ち止まったりするときも電柱の長細い日かげにぴったりと体を重ねると、少し涼しい。
電柱の影の面積が不足しているときは、頭だけでも影に重ねる。
それだけでちょっとほっとする。

だからおじさんのわたしだって日傘を差して歩くのはありかな、と思ったりする。
熱帯化が容赦なく進む日本列島にあっては、案外しばらくしたら、おじさんもお兄さんもおじいさんも、みんな日傘を差して歩くようになっている気もする。

こういうのは最初の思い切りが大切で、思い切ってしまえば最初の違和感は「慣れ」が解決するのだろう。

ということで、わたしも頭に被る傘まではいかないまでも、今年は日傘デビューしてみようかな、とか思い始めている。
Amazonにメンズ日傘が何本も出ているが、しかしこれをクリックする気になかなかなれない。

小池都知事の考えとして、なかなか日傘に行ききれないおじさんたちに突き抜けたシュールな絵を見せることでその背中を押したい、それによって世の中に日傘男子を増やして熱射病を予防したい、というのがあるのだとしたら大したPR戦略だと思った。

そういえばニュースで小池知事の顔を見るのも久しぶりだなと思いながら、わたしはまだAmazonをクリックできないでいる。

posted by ヤス at 11:00| Comment(2) | 徒然なるままに