2019年05月14日

北方領土は戦争で取り戻せるか

日本維新の会の丸山議員が北方四島ビザなし交流で「(北方領土を取り戻すためには)戦争をしないとどうしようもない」と発言したのが大きな問題になっている。
それでいくつか関連のニュースを見たり「謝罪」の短い動画も見たのだが、結局どういう文脈で具体的にどういう発言をしたのかよく分からない。
だからここでこの酒グセの悪い議員について具体的に批判することは止めておく。

ところで一般論としては、20世紀以前の世界では国際的領土紛争は戦争で「解決」されることが普通にあった。
そういうことでいうと20世紀的国際社会においては、領土紛争は戦争によって決着することが普通のことだったわけだ。

しかし第一次と第二次の世界大戦を経て、あるいはそれ以前の幾多の国家間戦争の反省もあって、戦争で領土紛争の「決着をつける」ことは止めましょう、という話になった。
それでできたのが昨日仁徳天皇陵を世界遺産に登録勧告もした「国連」である。
国連加盟国は国際紛争を解決するのに戦争に訴えることが禁止されている。
ただ、よその国から攻撃された時の「個別的自衛権」と「集団的自衛権」は、いちおう国家防衛のために認めるということになっているらしい。

この国連方針がそっくりそのまま適用されたのが日本国憲法なのは周知の通り。

したがって、あたりまえだが日本は軍隊を派遣して北方領土を再占領することはできない。
そのような軍事行動を「合法的」に行うためには、憲法を改変して「戦争による国際紛争の解決」を禁止しないことにする必要がある。

さらに国連からも脱退しないといけない。
もし国連から脱退しないまま戦争を起こした場合は除名処分になったりするのだろうか。

その辺よく分からないが、しかしもし日本がふたたび軍事行動を起こすと、かつてクゥエートに侵攻したサダム・フセインのイラクみたいに国連軍の攻撃対象になるのではないか。
あるいは国連決議を受けたロシア軍の爆撃機が、現在シリアで行なっているような苛烈な空爆を北海道あたりに加えてくるのだろうか。

まあシリアと違って日本の空自は規模も装備もかなり水準が高いので、ロシア空軍もかなり苦労はするだろうが。

そういえばロシアには核ミサイルがたくさんあった。
強大な通常戦力を今なお維持し、さらに核を持つロシアに喧嘩を売ることは相当に想像を飛躍させたとしてもナンセンスだ。

戦争できるように憲法を変えて、また国連も脱退して、そんなかなり無理のある仮定をいくつか重ねたとして、それでもやっぱり北方領土を戦争によって取り戻すことは現在の日本の軍事力・経済力では難しそうである。

今や世界の戦争は、国家間のがっぷり四つの本格戦争というのが当分なくなっている。
国連とか核抑止力とか、その辺の効果にはいろいろ疑義もあるが、少なくとも数百万人、数千万人が死ぬような大規模戦争がなくなったのは人類のひとつの進化なのだろうと思う。

だから北方領土も戦争以外の方法で解決する他しょうがない。
というのが今日の結論ということにしておく。
posted by ヤス at 11:49| Comment(2) | 徒然なるままに