2019年05月08日

MMTの続き

さて、昨日の「MMT(現代金融理論:Modern Monetary Theory)」の続きである。
MMTについて少しだけだがネット情報をあさってみた。
MMTはアメリカのミズーリ大学の教授がその提唱者の一人であるらしい。
その教授の述べるところによると、MMTでは貨幣というよりは金融資産についての考察が理論の骨格を成している。

金融資産についてといっても、ちょっと漠然としている。
わたしの把握した範囲で説明を試みる。
「政府の借金」は「民間(個人や企業)の資産」である。

日本では国債の大半を日本国内で消化しており、外国人の持ち分が少ない。
アメリカやヨーロッパ先進各国は、だいたい国債の海外比依存度が4割くらいある。
一方の日本は1割程度。
日本の国債市場はほぼ日本国内で「閉じている」と考えても良さそうだ。
「閉じた」市場の中では「政府の借金」と「民間の資産」の関係がきっちりバランスする。
つまり「政府の借金」増えると「民間の資産」も同額増える。

ちょっとおおざっぱな理解だが、MMTで「閉じた」市場では財政破綻が起こらないというのはそういう意味らしい。
ここでいう「財政破綻が起こらない」とは、政府が借金を返せなくなることはない、という意味である。
なぜならMMT的には政府は(というか中央銀行が)いくらでもお金を輪転機で刷ることができるからだ。

そんなことしたらいつかひどいインフレになるのじゃあないかというと、MMT的にはインフレ対策の提案もいちおう用意されているらしい。
細かい説明を書く余裕がないが、このインフレ対策は政府の仕事であるのだが、政府が完全に合理的に間違いなく対策をうつことが前提になっているらしい。

しかし歴史を振り返ると、現実には政府はだいたいにおいて間違うものなので結局ひどいインフレはやってくることになるのだろう。
輪転機を刷るそばからインフレになって、100円で買っていたアンパンが1万円になり10万円になるような事態が発生する可能性は否定できない。

ただこの時、国債の外国依存が日本のように少ないと確かにギリシャのようなかたちの財政破綻はないのかもしれない。
ただ日銀が輪転機を刷って、国債返済を淡々と進めればよいからだ。

ただし国民の貯金はインフレで価値が毀損する。
1千万円の貯金を崩してアンパンを10個しか買えない、そういう事態が発生する。
ただし、先に述べたとおり閉じた系の中では「政府の借金」と「民間の資産」はバランスしているので、国民(つまり民間)の資産が消滅すると政府の借金も同じだけ消える。

いわゆるインフレ税というやつである。

そんなことを想像していると結局MMTは、金融市場が外国に対して閉じているとか、政府がかならず合理的で正しい行動を取るとか、現実には稀な特殊条件を設定した「仮のお話」について述べているだけのように思える。

実際にMMTの賛成派の人々がどんな主張をしているのか、今後しばらく注視してみようと思う。
posted by ヤス at 11:31| Comment(0) | 徒然なるままに