2017年05月22日

日常のリスク

YouTubeにはいろんな動画がある。
中に「動物系」というのか、野生動物の生態を捉えたようなジャンルもある。
この間観ていたら、たぶんアフリカだろうか、サバンナの池のほとりにハイエナらしき黒い犬みたいな影が10頭くらいたむろしている。
そして池の水際にはイノシシが1頭、水を飲んでいる。

ハイエナの群れとイノシシの距離は10mくらい。
けっこう大きいイノシシだが、ハイエナが束になって襲えばイノシシに勝ち目はあるまい。

しかしハイエナは襲おうとしない。
お腹が一杯なのだろうか。
と、思っていたら池の水面にスーッとワニの背中が浮かんできてイノシシの背後でピタリと止まった。
しかしイノシシは気が付いてない。

次の瞬間、ワニはイノシシにかぶりつき、あっという間に水の中に引きずり込んだ。
そうしたらどこから湧いてきたのか、別のワニが数匹出て来てそのイノシシに好き好きにかぶりつき始めた。
しかしハイエナの群れはその激闘を横目に何事もなく平然としている。

というだけの動画である。


イノシシの歴史において、このような水辺でワニに襲われる事件はもう数限りなく発生したことだろう。
にもかかわらず、動画のイノシシはあまりにものんびりと水を飲んでいた。
生物進化の方向として、水辺では極端に臆病になるような、ちょっとした水音に驚いて飛び上がる方向への進化というのはなかったのだろうか、と、どうでもいいが思った。

しかし考えてみると、水を飲むというのは多くの野生動物にとって欠くべからざる必要な行動である。
イノシシの日常においては、餌を食い水を飲むというのが重要な大部分を占めるであろう。
とすると、しょっちゅう水は飲まねばならないのに、そこでいつもビクついていると返って精神衛生上よろしくないかもしれない。
多少のリスクには目をつぶって、のんびりと水を飲んだ方が良いということがあるのか。
そもそも水辺でワニに捕食される確率というのは、せいぜい1%くらいとか、あまり高くないのかもしれない。

それならば、100頭につき1頭の犠牲は無視しても健康上必要な量の水を心置きなく飲んだ方がイノシシ集団全体としては合理的な選択と言えるだろう。

ということを思ったのだが、以上のことはわたしの個人的な想像であって、イノシシの実態に合っているかどうかは知らない。

人間世界においても、道を歩けば事故に遭うとか、日常行動にもいろんなリスクがあり得る。
前述のイノシシに関する想像から、日常的にあるリスクをあまり気にし過ぎるよりは、多くの場合でリスクは無視した方がいろいろと精神衛生的によいよなあ、ということを連想したのだった。

ちなみにハイエナは、ほとんど水は飲まなくて平気らしい。
ハイエナがいちばん賢い、と少し思った。
posted by ヤス at 15:53| Comment(0) | 徒然なるままに