2017年05月04日

カメラの要件

カメラというのは、撮りたい時に手元にあることがまず肝要だ。
そう考えるとカメラは何より小さく軽い方が有利になる。
そしていつも携帯する習慣が身についていること。
というとこれはもう、携帯電話、というかスマートフォンのカメラに敵うものは他にない。

カメラ業界も一昔前とは全く様変わりしたものである。
20年くらい前なら、フィルムの一眼レフがその高画質とハンドリングの良さのバランスからカメラの王様だったと思う。

実際このクラスには各社から様々なモデルが投入され(それは今でもそうだが)、多種類の交換レンズも用意されていた。
だからとりあえず写真好きを公言する御仁は一眼レフを首から下げて闊歩したものである。

わたしも26年ほど前にキャノンのEOS10というフィルム(当然だが)の一眼レフを買った。
EOS10は、当時かなり画期的なカメラだった。

まず、当時はやっとオートフォーカス機構がポピュラーになった頃だったが、このEOS10はファインダーを覗くと小さい四角が横に三つ並んで見えた。
その四角はオートフォーカスのフォーカスポイントである。
他のカメラの場合、フォーカスポイントは真ん中に一点と相場は決まっていた。
それがEOS10は三つ。
真ん中でもピントが合うし、画面の少し右または少し左側でも合わせることができた。

またEOS10の「不思議な」セールスポイントとして「アートコード機能」があった。
これは名刺サイズの丈夫なプラスティック紙に作例写真が載っているのが何枚もあって、カード記載のバーコードをカメラ付属のバーコードリーダーで読み取ると、その作例に準拠したカメラ設定が行われるという非常に野心的な仕組みであった。

この仕組みは、後継のEOS100にも引き継がれたがそこで息絶えた。(と記憶している)
まず、刻々流転する被写体を撮影するのに悠長にバーコードをピッピさせるような暇は大抵ない。
ただこれは時代の気分というものだったのだろう。
あるいは当時はPOSレジみたいな情報機器が「新しかった」のかもしれない。

さて、話が冒頭からだいぶ逸れた。
とにかくもカメラは撮りたい時に手元にあって、さっと構えてさっと撮れることが肝要。
その点でスマホに敵うカメラは今のところいない。

EOS10のアートコード機能は、スマホのいない時代だからこそ許された見事な企画倒れ機能だったと言える。

あとEOS10には当時珍しかったリモコンが付属していた。
EOS10の自慢は、少し暗い場所で全自動モードでリモコンレリーズすると、勝手にペンタ部のストロボがポンッとポップアップしてピカッと光り、次の瞬間にはシュッと自動でストロボが格納されるというところであった。

当時も今も、ストロボの自動ポップアップというのはあったが自動格納というのは他に見たことがない。
こういう余分なサーボモーターの設置なんていうのは、バブル時代の匂いが濃いこと甚だしい。

とにかくカメラは小さく軽くいつも携帯していること、これに勝るカメラの要件はない。
カメラメーカーはともすると忘れがちなこの要件を肝に命じて仕事をすべきである、と思った。
posted by ヤス at 08:55| Comment(0) | 徒然なるままに