2017年05月03日

情報圧縮時代

昨日のニュースでネット通販のアマゾンが、出版取次最大手・日販との取引を一部中止するというのが流れていた。

出版不況が言われ出してもう久しい。
日販やもう一つの業界の雄・トーハンともども業績不振に悩んでいるらしい。
すでに中小規模の出版取次は廃業したり日販・トーハンに吸収されたりしてどんどん消滅している。

出版取次の業績不振はある意味当たり前で、出版市場がどんどん縮小しているからこうなることは全くの想定内。
出版市場の売上額推移を調べてみると、2006年まで2兆5千億円くらいだったのが2015年には1兆8千億円くらいまで減っている。
出版物売上の3分の1を占める雑誌はこの10年ほどで売上が3割以上減って大変な状況だ。

ニュースを見るとアマゾンの言い分では、日販の供給形態がリアルのオフライン書店向けになっていてネット書店のアマゾンにマッチしていないということのようだ。
日販はこの数年、取引企業と協力して返本率の改善など業務改革を進めてきたようだが、市場縮小による業績悪化を食い止めるまではとても間に合っていない。

ずっと以前にも書いたことがあったが、今世の中に流通している「情報量」というのは、出版物の減少とは関係なく猛烈に増えていっているらしい。
逆にいうと、世の中の情報流通量が増えて人々の情報処理のリソースがそっちの方に取られたせいで紙の出版物の処理時間が削られていると想像することができる。

また、少し古いが平成23年の総務省情報通信白書によると、平成13年と21年の情報流通量比は1.98倍に増えている。
対して情報「消費」量は1.09倍にしか増えていない。
現在の日本人は出版不況になるほど本を読んでいないわけだが、しかし決して「情報処理」をサボっているわけではない。
そもそも基準年の平成13年の水準でさえ、その10年前から比べると情報流通量も消費量も膨大に増えている。

この間にFacebookやTwitterができたり、その前にはブログやmixiが流行ったり、電子的な「メール」というものがこの世に出現したり、人々を情報処理に駆り立てるツールが目白押しに誕生している。

こういう状況では、今後もさらにアマゾンやリアルの書店のあり方は変化せざるを得ないだろうと思う。
つまり具体的には、人々の情報処理負荷が増え過ぎているので、いろんな情報コンテンツの要約サービスとか今後増えていくのではないか。
今は「作品レビュー」がその代わりをしているが。
あるいは本を買ったら「書籍要約機」に入れて、内容を3行くらいにまとめてくれる機械とかあると便利そうだ。

たいていの映画だって2倍速で観ても内容は十分理解できる。

これからあらゆる情報を圧縮し、端折る時代がやってくるような気がする。
というかもう既に、かなりの程度そういう時代になっているのかもしれない、とアマゾンと日販のニュースを見ながら思った。
posted by ヤス at 08:26| Comment(0) | 徒然なるままに