2017年04月08日

アメリカのシリア政府軍への攻撃

昨日の昼に入ってきたニュースで、シリアの空軍基地をアメリカが攻撃したというのがあって驚いた。
民間人70人以上が犠牲になったシリア政府軍の化学兵器攻撃があって、その拠点施設を中心に米駆逐艦から発射したトマホーク59発を打ち込んだらしい。
位置関係から地中海に展開する艦艇から発射したようだ。

トランプ大統領はアメリカファーストで孤立主義の大統領だと思っていた。
今回の攻撃は「人道上の理由」によるものらしい。
それにしても攻撃に当たっての法的根拠はかなり曖昧である。

一連の手続きを考えるとアメリカに対する脅威を排除する個別的自衛権の発動、ということになるのだろう。
しかしトランプは毒ガス兵器をシリアの民間人に使用したので攻撃したと言っている。
なおかつ今回の毒ガス攻撃はアメリカ本国の脅威とはあまり関係ない。
人道上の理由であれば、本来は国連の手続きを経る必要があると思うがそれもない。

しかもトランプは、これまでは親ロシアの態度を示していた。
それが文字通り一晩で思想転向して反ロシアに舵を切った。
唐突の一語に尽きる感じである。


今回の攻撃は色々な解釈が可能な気がする。

少し話が飛ぶが一つは対北朝鮮の牽制である。
トランプ政権は、法的根拠が多少曖昧でも、やるときは躊躇なく実力行使ができるんだぞ。
今回の攻撃を通じて、そういうメッセージを北朝鮮に向けて暗に発したのではないかという気がしてならない。

もう一つはアメリカ国内の話だ。
今政権内では熾烈な主導権争いが繰り広げられていて、先に親ロシアのフリンが外されて、今月5日にはバノンがNSCから外された。
その前にトランプの娘婿(つまりイヴァンカの旦那)でユダヤ系のクシュナーが大統領上級顧問に就任していて、トランプ政権としてはイスラエル寄りに寄っていく力学が働いているようにも見える。
その結果としての反シリア・反アサドであり、その余波としての反ロシアということか。

その辺は専門家の分析を見てみたい。

しかし今回の攻撃でプーチンは激しく怒っている。
少なくともそのようにニュースでは報道されている。

ここにきての米露対立は今後どんな展開を見せるのか。
今、シリアではロシアもIS掃討のための絨毯爆撃を行っているがアメリカもピンポイント爆撃で軍用機を飛ばしている。
今回ロシアはシリア上空における米露の衝突防止措置を停止すると宣言したようだが、これは場合によってはロシア軍がシリア上空を飛行する米軍機に「誤って」対空ミサイルを発射することがありうる、と恫喝しているようにも読める。

しかしこの場面での直接衝突というのは、米露共にほとんど意味がないように思う。
何より肝心のイスラム国掃討作戦がかなり後退することは確実である。

あるいはトランプとプーチンは「水面下」で実は話がついていて、トランプもプーチンも対外的な新しい脅威を作ることで国内政治対策をしたいのではないか、ゲスの勘ぐりではあるが、そういう気がしなくもない。
トランプは発足後もずっと支持率がパッとせず、プーチンは近く大統領選挙を控えている。

色々分からないことだらけであるが、個人的にはアメリカの北朝鮮への対応に注目したい。
場合によっては日本にとっても遠い中東での出来事では済まなくなるのではないか、そういう感じがするのである。
posted by ヤス at 06:24| Comment(0) | 徒然なるままに