2017年02月25日

雑誌ニュートン民事再生

科学雑誌の「ニュートン」が存亡の危機にあるらしい。
近年の販売不振に加えて、元社長の出資法違反による逮捕があってりして、ついに民事再生を申し立てた。
ただし、再生手続きをしながら雑誌ニュートンの出版は継続するのだという。

雑誌ニュートンは創刊から35年、日本の科学雑誌の顔としてこれまで頑張ってきた。
たぶん、そうだと思う。
この雑誌が創刊するとき、わたしは高校一年生くらいだったようだが、当時鳴り物入りで広告が打たれて、編集長の元東大教授の竹内均氏もNHKの番組とかに出てけっこう有名だったので、そのインパクトはかなり大きかったように記憶している。

しかし時代の流れであろうか、2011年に17億円あった売上高が2016年には12億円に減少したという。

で、ニュートンの発行部数を調べてみたら、一般社団法人日本雑誌協会というところのサイトにたどり着いて、それによると2015年10月から2016年9月の一年間の発行部数は、115,417部。

ざっと見渡すと、一番多いのは週刊ファミ通300,000部、続いてVジャンプ258,333部。

他に20万部超えは見当たらない。
概してアニメ/ゲーム系が強く文芸誌は部数が少ない。
ニュートンの11万部は中の上くらいで健闘しているように見える。

ただウィキペディア情報ではニュートンは創刊時公称40万部だったそうで、現状はもちろんそれに比べるべくもない。

ニュートンという雑誌は、日本版のナショナルジオグラフィックを目指したということで、図版も多いし最近は独自編集の電子版もあって、その辺りの制作コストが収益を圧迫していたのかもしれない。

また30年前はまだ高度成長時代の余韻が充分残っていて、ニュートンが取り上げるような科学技術は、明るい未来を切り開くイメージとともにあった。
しかし最近は、少なくとも日本においては明るい未来がイメージしにくい時代である。
それに伴って人々の科学技術への興味も薄らいでいるような気がする。
個人的にも、10代20代の頃みたいに科学技術に興味を持ってニュートンの一冊でも買ってみようかという感じが今はない。
これは時代のせいというより歳のせいかもしれないが。

今後雑誌ニュートンが復権するには、電子版の充実とか時代にあった企画内容とかもあるのだろうが、もう一つ、世の中において「科学技術が明るい未来を切り開きそうな感じ」が必要だと思う。

北極や南極の氷が溶けたとか原発燃料の処理や廃炉問題、人工知能はひよっとして人類の敵じゃないかとか、最近のサイエンスのテーマは一頃より一層暗くなった気がする。
一方で最近の宇宙開発に関する話題、火星移住計画などは人類の活動域を広げるやや明るい話題ではある。

ニュートンなどの科学雑誌は、社会的課題となるようなテーマにも注力しつつ、科学が明るい未来を切り開く道筋を示していくことが、今後必要なことなんじゃないかと思った。
posted by ヤス at 15:28| Comment(0) | 徒然なるままに