2017年02月15日

ニコンショックの続き

さて、一昨日のニコンの高級コンパクトカメラの発売中止の続き。
昨日は株価の反応が無いと書いたのだが、これは発表が一昨日の市場が閉じた後だったためのようで昨日のニコン株は約15%の下落を記録した。
今日のところは、相場は落ち着いている。

またその後ニコン関連の追加ニュースはほとんど流れていないようで、「ニコンショック」は一部のマニアだけのものだった感じもする。
しかし一昨日のニュースを耳にして、わたしとしては、いままでぼんやりとしていた不安がいよいよ具体的なカタチを見せ始めた感じがした。

カメラというのは、何十年も前には「ライカ一台家一軒」と言ったとか言わないとかいう話があるくらいの高級品だった。
戦後間もない頃は、家一軒とまではいかないまでもクルマ一台くらいの感じはあったのではないか。
それがどんどんコモディティ化して、やがて「写ルンです」が出て来て女子高生でもバシバシ写真を撮るようになった。
さらにデジカメ時代になって、フィルムカメラを凌駕する画質性能と便利さ・気軽さが2〜3万円で買える時代になり、さらにスマホカメラの時代が来て「撮影行為」はコミュニケーションツールの一部に取り込まれた。

数十年前カメラは家宝扱いで、必要な時にそっと防湿庫から取り出して恐ろしいくらいの念を込めてパシャリ、パシャリと撮るものだった。
現在でもその延長線上の製品として数万円から数十万円のレンズ交換カメラが存在する。
しかしわたしも含めて、もはや日常的な写真撮影はスマホで十分なのは言うまでもない。

これからの時代には、従来的な「作品づくりのためのカメラ」はまた数十年前並のマニアック製品に帰っていくに違いない。
そういう時代には現在のドイツのライカ社のように、ひたすらマニア向けの超高級品を売る会社だけが残るようになるのだろう。

CIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)のデータによると、レンズ交換カメラの日本における市場規模は、ピークが2008年の2兆5千億円でその後2015年は1兆3千億円まで縮小しているそうだ。
要するにほとんど半分になっている。
ニコンが儲からなくなるはずである。

こういう話はカメラだけではなく、今後10年内に自動運転本格化が想像される自動車業界でも同じだろう。
2030年頃には自動運転車が圧倒的多数派になって、人間が運転するのは特別な免許を持ったごく一部のマニアだけの時代が来るのだと思う。
そうなったらトヨタもホンダもフォルクスワーゲンも、製品の大幅なコンセプトチェンジが必要になるだろう。
それはガソリン車から電気自動車への変化とはまた別次元のものであって、おそらく変化に追随出来な多くのメーカーが消滅する。

そして現在のように「ファントゥドライブ」を売りにする自動車製品としてはポルシェやフェラーリなどの特殊メーカーのみが残る。

今回のニコンのニュースは、そういう未来を予感させる衝撃的なものだったと思った。
posted by ヤス at 13:34| Comment(2) | 徒然なるままに