2017年01月30日

マイナス金利政策、導入から一年

昨日は1月29日だったが、その日は日銀がマイナス金利を導入してから一年の区切りの日だったらしい。

マイナス金利政策というのは、どうも評判が非常に悪い。
その前の金融緩和政策、すなわち年間80兆円の国債買取政策は一定の評価を与える声がそれなりにある。
一方でマイナス金利に関してはプラスの評価の話をあまり聞かない。

マイナス金利は銀行の収益性を圧迫し、生命保険会社や年金基金などの資金運用にも大きく負の影響が生じている。
さらに行き先の無くなった資金が賃貸住宅融資にまわり、800万戸を超えてただでも余っている日本の住宅市場で、さらに新しい物件供給をするに至って将来の家賃暴落のリスクが日に日に高まっているという。

そういえば最近、「アベノミクス」そのものについての華々しいニュースをあまり聞かなくなった。
一年前の日銀のマイナス金利導入からさらに3ヶ月ほど前、2015年の9月下旬に自民党総裁選があって、再選した安倍首相が提唱したのが「アベノミクス2.0」だった。
確かGDP600兆円目標と子育て支援(出生率1.8)と社会保障改革(介護離職ゼロ)という内容だったと思うのだが、今この文章を書きながら内容を確認しようとネット検索したら首相官邸が出て来て、首相官邸のページをあれこれクリックしたがアベノミクス2.0の「新3本の矢」はどこにも載っていない。


旧3本の矢についても、

“このページは、過去の特集ページを保存しているものであり、掲載情報は、更新されておりませんので、ご注意ください。
現在の情報は、こちらをご覧ください。”

という赤字の但し書きが冒頭に書いてあって、そこに2015年以前のGDP成長率や失業率改善などのやや古い数値上の成果が載っている。
で、冒頭の「こちらをご覧ください」をクリックすると「3本の矢方式」にはもはやこだわっていないような書き方にガラリと変わっているようなのである。

首相官邸の新しいページには、「第三の矢としての成長戦略(日本再興戦略)」のみをピックアップして、この部分について集中的に記述されている。
そしてそこには金融緩和や公共投資の内容は全く見当たらず、「IoT、人工知能、ビッグデータなどの革新的技術」についての期待、これらを活用してGDPをどうにかして600兆円にしようという目論見が熱く語られているようである。(中身まではまだ読んでいないけれど)

さすがの安倍首相も、ここへ来て日銀の緩和策の効果の無さをやっと認識したのかもしれない。
首相官邸HPの「3本の矢」の扱い方を見て、インフレ目標2.0%の実現性の無さ、マイナス金利の副作用や必要以上の円安誘導(つまりインフレ指向)が返って消費を落ち込ませていることに首相官邸もやっと気付いたのではないか、という感想を持った。

ただ、都合が悪くなったから日銀の政策からは目を背けて、結果黒田総裁から梯子をはずすようなことになるのは黒田氏があまりに気の毒だと思う。
この辺でこれまでの金融緩和政策について総括(というか反省と路線変更)について、政府や日銀は言及すべきではないか、と思った。
posted by ヤス at 13:24| Comment(0) | 徒然なるままに