2016年12月19日

築地の寿司屋

もうだいぶ前の話だが、10月の下旬に東京にふらふらと遊びに行った。
ひとつには、ひょっとしたら近日中に消えてなくなってしまうかもしれない築地市場を見ておこうと思ったのがある。
で、築地に行って、どこか適当な寿司屋に入ろうと思ったのだが、平日だというのに築地は朝からたいへんな人混みで、どの店も入り口付近に人が溜まっている。
大勢いるお客さんの大半はアジア系の外国人の方々のようである。
中に多少欧米人の方々も混じっている。

しかしとりあえず人が多く、行列の待ち時間がいったいどれくらいになるのか、田舎からやって来たオジサン的にはそれを考えただけで食欲が減退してくる。
寿司は諦めて吉野家で牛丼食ってお茶を濁しておくか、とも考えたが、フラフラ歩いているとたくさんある寿司屋は、全部が全部長蛇の列、というわけでもないのが分かってきた。

どうも人気店とそれ以外で極端に列の長さが違う。
10数分も歩きまわってやっとそういう初歩的な発見をして、それで列の出来ていない1軒を見つけて中を覗いてみた。
10席ほどのカウンターと奥にテーブル席が少しの小さい店内は半分ほど空いている。
覗いてすぐ首を引っ込め出ていくほどの勇気もなかったので、そのままカウンターに座る。
とたんにヨコからスッとお茶が出てきて、ほぼ同時に大将がペライチのメニューを見せながら、3つほどあるコースのどれにするか聞いてきた。

下は2千円台後半から上は3800円ほどの値付けである。
大将が一番上のコースを勧めるので、高いのか安いのかよく分からなかったが約3800円のやつにした。
柔らかく煮た大穴子が特に美味かったし、他のネタもわたしの貧しい舌には十分過ぎる出来であったと思う。

しかし今にして思うのは、他の長い行列が出来ている寿司屋がどんなものか、日を改めて見ておけば良かったなということだ。
いったいどんな要素が行列の長さを左右していたのか。
個人的な推測では、おそらく価格の高低が行列の最大の原因だろうと思う。
店頭に並ぶメニュー表などをざっと眺めた感じ、人気の店はどれも2千円台のコースをメインに出しているようだった。

わたしは田舎のオジサンなので、行列は苦手である。
おそらく慣れた人ならば、この列の長さならどれくらいの時間で目当ての品にありつけるのか、おおよその目安が肌感覚で分かるのだろう。
だから列に並ぶ苦役に耐えられる。

しかし普段列に並ばない人間は、行列を見ただけで軽い目まいがする。
築地の寿司屋について言えば、混雑緩和のことだけを考えれば、たぶん価格帯を客単価でもうあと千円ほど上げた方が良い、ということなのではないかと思う。

寿司の値段は高いよりは安い方が良いわけだが、しょっちゅう食べに行くところでもないので、行列に並ぶ精神的苦痛を考えると、多少高くても我慢できる気がする。

しかしまあ平日からあれだけ行列が出来ていれば、築地の各寿司屋はたいへんな客の入りであろう。
おそらく我々の常識からは異次元の売上を上げているに違いない。
だから寿司屋に関して言えば、豊洲へ移転するより築地のままの方がずっと儲かるのだろうなあ、と思ったりした。
posted by ヤス at 11:59| Comment(0) | 徒然なるままに