2016年12月12日

初めてに備える

戦争映画なんかで、要人暗殺や人質救出などの密命を受けた軍の特殊部隊が、あらかじめ作戦の舞台となる建物を内部構造まで再現したのを訓練基地に作り、そこで実際に建物への突入から作戦の完遂まで、何度もシミュレーションをする、という場面がある。

オサマ・ビン・ラディン暗殺作戦を描いた映画は何本かあるようだが、そのうちの一本でも、パキスタンに発見したビン・ラディンのアジトらしき建物を再現して、ネイビーシールズの隊員が何度も突入訓練を繰り返す。

この作戦はパキスタン政府に対しても秘密裡に企画され、しかも長年追って来たビン・ラディンを仕留める千載一遇のチャンスということで、絶対に失敗が許されない。

隊員たちはビン・ラディンのアジトを実際に見たことはもちろんなく、それどころか中の部屋の間取りやどの部屋に誰がいるとかは、おそらくまったく想像するしかなかったのではないかと思う。
そういうかなり不完全な情報に基づくシミュレーションであったけれど、訓練は粛々と繰り返され、作戦の細かい手順や発生しうる不足の事態などがいちいちあぶり出されていったものと推測される。


人間というのは、初めてのことに挑戦するとたいてい失敗する。
子供の頃初めて自転車に乗るとかいうのも、たいてい何度も転ぶ。
わたしは最初に就職して初めて仕事の電話を取った時、しどろもどろで非常に肝を冷やした記憶がある。
今は成功して上手くいっている起業家なんかでも、最初の頃はやる事なす事失敗したとか、会社を二つ三つ潰したとかいう人も数多い。

逆に初めてのチャレンジをいくつもこなしていると、「初めてにチャレンジする事」の要領を身体が覚えて、だんだん上手くいくようになったり、失敗した時のリカバリーのコツを会得して、失敗に対する免疫が付いたりするかもしれない。

今の時代は、百年二百年昔と比べても、「初めてやる」事がたいへん増えていると思う。
初めて自動車を運転するのは自動車の普及以前には無かったことだし、初めてパソコンを使うとか初めて電子マネーで買い物するとか、今後もどんどん新しい初めてが誕生すると思われる。

その調子で仕事のやり方にも「初めて」が定期的に現れるのだろうが、同じやるなら最初からなるべく上手くこなせた方がいいに決まっている。

そのためには、シールズの隊員がやったように、多少不完全でもシミュレーションを繰り返して、事前になるだけの準備をしておくことが必要であるなあ、と最近思ったりしたので、忘れないようにここに書き留めておく。
posted by ヤス at 14:14| Comment(0) | 徒然なるままに