2016年12月09日

費用対効果

事業を経営していると、費用対効果というのを意識せざるを得ない。
広告を打った時にその反応はどうだったか、いくらの売上利益に繋がったか、従業員に給料を払っていてその生産性はどの程度か、などなど、あらゆる費用にはなんらかの効果が付いて回る。

特に最近は日本の人口は減少傾向にあり、高齢化もどんどん進んで多くの事業で市場は縮小していっている。
こういう時代には、特に費用対効果が重要になる。
市場の拡大期であれば、少々のロスがあってもとにかく売上をたくさん確保することに注力すれば、多くの場合規模の経済が働いて会社の効率は自動的に上がる。
しかし売上の天井が低い今のような時代には、各費用のパフォーマンスを高めて、限りある売上の中で利益を捻出しないといけない。

まあ、あたりまえのことだ。
これが税金を使う行政組織における費用対効果、ということになれば、なおさらの話である。
しかし現実には、税金を投入する事業における費用対効果は、その掛け声ほどにはあまり重要視されていないように見える。
あるいは、「なんとか検証委員会」みたいのが設立されて、行政事業のコスパについてチェックが行われることが時々あったりする。
(行政用語では費用対効果を「B/C(ビーバイシー )」などと呼ぶらしい)
それらは、いくつかは成果を上げているのかもしれないが、しかし全体としては焼け石に水の感が拭いきれない。

税金というのは、取られる側としてはなるべく少ないに越したことはない。
税金を少なく抑えるためには、やはり行政事業のコスパが重要である。
しかし税金の使途は、かなりの割合で無駄に消えていると思われる。

まず、税金は役人が汗水垂らして稼いだ金でない。
徴税機構が国家のチカラを行使して集めたもので、そういう巨額のお金が毎年いわば自動的に天から降ってくる。
だから、その使い途についての効果の検証といっても今一歩迫力が出ないのは人情であろう。
第一、費用対効果と言った時の「効果」とは何なのか曖昧であることが多い。

原子力発電の業界で、「もんじゅ」に変わる高速炉を開発するとかいうニュースが流れていたが、その費用対効果というかB/Cの見通しはどうなのだろう。
東京オリンピックや築地市場移転問題はどうか。

一方で世の中、費用対効果だけを基準に判断できない問題だって確かにたくさんある。
しかし、いずれせよ税金であれ企業の資金であれ資源は有限なので、やはりたいていの場合に費用対効果を考えないわけにはいかない。

行政の費用対効果への取り組みにいまいち迫力が出ないのは、ひとつには税金が天から降ってくるということがあるし、もうひとつは行政組織がなかなか財政破綻しないから、というのがある。
いっそのことかつての夕張市のように、市町村でも都道府県でも毎年1件2件倒産するぐらいになった方が、国としての健康が保たれるような気がするがどうなのだろう。

posted by ヤス at 10:49| Comment(0) | 徒然なるままに