2016年12月07日

目標のご利益

今日は「目標」について考えてみる。
事業を経営している時に最低限必要なのは、キャッシュフローをプラスにしておくことである。
理想を言えば、毎年の決算がいつも利益が出て、かつキャッシュフローもプラスであるのが良い。
さらに言えば毎月の決算がプラス、あるいは毎日の取引がいつもプラスであれば言うことはない。

しかし世の中そんなに甘くない。
競争というものがあるし、最近の市場環境は移ろいが激しい。
また事業の特性により、最初に大きな投資や仕入れが必要な場合もある。
だから、まず一年を通じてトータルでプラスなら良しとしよう、となったり、最初の年は赤字でも3年間くらいの通算でプラスなら上出来だ、とかいう場合も出て来る。
そもそも事業というのは、途中で破綻することなく継続していれば取り敢えずはオッケーである。

しかしわりかし多くの企業が、いわゆる経営目標というのを決めている。
あるいは明示的に決めていなくても、社長の頭の中でなんとなく考えている。

それは多くの場合売上規模であったり、対前年での増収増益の継続であったり、上場とか、店舗数とか、いろいろある。
しかし先ほど述べた通り、会社というのは破綻せずにぼちぼち継続していれば取り敢えずはそれでよい。
そういうところに、多くの企業のようになまじ目標を定めて無理を重ねると、時にはしくじって損失を被り、それを契機に経営が傾くこともあるのではないか。

しかし多くの企業は無理をする。
それを象徴するものとして、経営目標は存在する。
目標は、時には「夢」と呼ばれたり「ビジョン」であったり「スローガン」「指針」とかいろいろな呼ばれ方をする。
これらはそれぞれ微妙にニュアンスが違うと思うが、企業を前にドライブし、多少の無理をさせる効果があるところは共通であろう。

なぜ目標なんていう概念が存在するのか、という疑問の答は、人々はなぜ無理をするのか、という問いに変換することが出来ると思う。

企業が目標を定めて、多少なりとも無理を重ねるのはそこに競争があるからだ。
まあ、あたりまえだが。
資本主義経済の中では、企業はあまりのんびりとはしていられない。

さらに考えてみると、人間というのは意識的に無理をすることが出来るようになって、それで地球上の生態系における優位を揺るぎないものにし、現在の繁栄を築き上げてきた面があると思う。
そして効率的に無理を重ねるには、やはり何か目指すものがあった方が良い。

だからまあ、目標は無いよりはあった方が競争上のご利益はあるのだろう。
今日の結論は、目標というものは効率的に無理を重ねるための人類の偉大な発明品である、ということにしておく。
posted by ヤス at 11:26| Comment(0) | 徒然なるままに