2016年11月18日

副業解禁の必要性

最近、副業解禁の動きが拡がりつつある。
とは言うものの、ある調査では回答企業の96%が就業規則で副業を禁止していたという。
副業解禁は日本ではまだ事実上始まっていない、とも言える。

日本の企業が正社員の副業を禁止する理由としては、「本業」に差し障りが出る、競業行為で会社に損失の恐れ、などがあるのだろう。
一方で最近いくつかの大企業で進み始めた副業解禁の理由はなんだろう。

ひとつには社員の視野を広げたい、というのがあるらしい。
終身雇用的に新人から定年退職の約40数年間をひとつの会社で過ごせば、それなりに価値観が固定化し視野が狭まる恐れがある。
他の仕事を経験することで新しい気付きやアイデアが生まれ、それが「本業」に活きる、ということはあり得るだろう。

また社員も「本業」以外の収入が入って経済的な豊かさが増し、生活満足度が高まることが考えられる。
それやこれやで会社としては社員のバイタリティも高まって職場が活性化し、結果として会社の業績にも好影響がある。
会社の側が副業を解禁し奨励までする理由としてはそんなことが想像される。

しかし一方で、いわゆるブラック企業では社員の副業を解禁すると、これまで上手くマインドコントロールして激務に駆り立てていた社員たちの視野が広がり、洗脳状態が解けて会社から去ってしまうというリスクが生じる。
だから社員に辞めて欲しくない会社で副業を解禁出来るのは、それなりにホワイトな職場環境を実現出来ている会社に限られる、そういうことになる。


会社や社員などの当事者にとっての副業解禁には以上のような特長が考えられるが、社会システム全体として考えた場合はどうだろう。

ある会社にフルタイムで働いている人が別の仕事をする、ということは、社会全体としては労働力の増加を意味する。
仮に、副業が増加する一方で世の中の「消費」が一定で増えない場合、副業は別の誰かの労働を奪うことになるだろう。
しかも、人々があえて副業に選ぶのは自分の得意な仕事、好きな仕事であるはずである。
しかも発注者の側にも明確な需要がないと副業の契約が成立しない。
明確な需要のあるところにその仕事が得意な人が応じるので、これはなんとなくルーチンでその仕事をやっている人より生産性が高いに違いない。

だから副業には他の正社員の仕事を奪う恐れがあるということになる。

そうならないために、副業が社会のGDPを拡大する方向に作用するためには、その仕事によって個人や企業の財布のヒモが新たに開くような、新しい価値を創造する種類のものである必要がある。

しかしそういう新しい仕事を考案するのはかなりハードルが高いだろう。
だから今後副業が解禁されていったとして、人々が副業に選ぶ仕事は今既にあるもので、これを生産性の高さを武器にして今既にやっている人から奪って来る、そういう構造にならざるを得ないのではないか。

ただそれは発注者側の会社の立場ではコストダウンや付加価値の増加になる。
それは最終的には日本の国際競争力にもつながり、グローバル化の中での生き残りのためには必要なことであると思われる。

ということで、副業解禁の動きは必ずしも楽しい話ばかりではないかもしれない、などと思ったけれど、やはり副業は解禁した方が絶対いいと思う。
posted by ヤス at 15:31| Comment(0) | 徒然なるままに