2016年11月08日

ニコンが心配

今朝のニュースで、デジカメなどで知られるニコンが、千人規模の人員削減を検討中というのが流れていた。
写真機愛好家のわたしはフィルム時代から長らくニコンのカメラを愛用、というか愛蔵してきた。
なので上記のニュースは非常に気になる。

ニコンは単独で従業員数5500人ほどの会社なので、このうち千人を削減するというのはなかなかの大規模リストラである。
はたしてそんなに業績が厳しいのだろうか。
ニコンは上場企業なので財務内容が開示されている。
それを見ると最近の売上ピークが2013年で1兆円超だったのが2016年3月期は8,229億円。
当期純利益は2012年の593億円から2016年は222億円に減少している。

売上減少が減益要因の1割程度で、大部分は営業利益率の低下による減益のようである。
そしていちおう利益は確保しているが、その未来は非常に厳しいようなのである。


大昔、確か1990年台の初め頃に、カメラ事業でキャノンの後塵を拝して苦戦していたニコンが復活した、というのを書いたビジネス本を読んだ記憶がある。
かつてのニコンは当時急成長中だった半導体産業に向けて、「ステッパー」という露光装置の製造に乗り出し、その分野で世界シェアトップの座を占めて1980年台後半にかけて急成長した、というような本だったと思う。

その頃はNECや東芝なんかがまだまだ元気に半導体チップを作っている頃で、日本の半導体産業自体が世界を席巻していた。
ニコンとしてはその流れにうまく乗っかったということだったようである。

しかし、時代は流れて半導体産業は台湾や韓国勢が圧倒的に優勢になり、日本の半導体メーカーは次々に消えていって、今残っているのは東芝のNANDフラッシュメモリとNEC等の半導体事業が合併して出来たルネサステクノロジくらい。

今となっては東芝もルネサスも金融緩和による円安政策によってかろうじて息をしている状態である。
そしてニコンのステッパー事業は、世界シェアは失ってしまったけれど日本国内におけるシェアは依然としてまだ高い。
というか国内向けの出荷によってニコンはかろうじて事業を維持している、という風にしか見えない。

ニコンがステッパーで世界シェアを失ったのは、韓国・台湾の半導体メーカーが要求する量産性能には応えずに、国内メーカーの要求である高精度にこだわったことにあるのは間違いない。

ニコンは今後成長が期待される医療分野に注力するそうだが、ここのセグメント売上は現状たったの183億円で、リーディングカンパニーであるオリンパスが6千億円規模であるのに比較するとアリとライオンくらいの差がある。
この先いったい、どうするつもりなのだろう。


もっとも心配なのは、わたしの愛するニコンのカメラがこのままフェードアウトしてしまうことだ。
ニコンは不変のFマウントを1959年のニコンF以降ずっと続けてきているけれど、ここいらでどんと革新があってもいいような気がする。

レンズ交換カメラはおそらくミラーボックスが無くてコンパクトなミラーレス機に移行するに違いない、と思う。
いつまでも伝統の技術にこだわるニコンの悪い癖で、ガラスのプリズムを使った光学ファインダーを捨てられないようだと、たぶんニコンのカメラは遠くない将来に消えるような気がしてならない。

とりあえず、ニコンのカメラの将来が心配なのである。
posted by ヤス at 15:54| Comment(0) | 徒然なるままに