2016年10月14日

分からないスマホ実質0円規制

あいかわらず、総務省と携帯会社の間で「携帯ゼロ円販売是正」をめぐるいたちごっこが続いている。
この問題は、今ひとつ分かりにくい。

総務省としては携帯代金を安くするのが狙いだという。
携帯機種代金をゼロ円にする原資は、通信料金から出ていっている。
だから機種代金の過度の値引きを止めさせて、その分通信料金を引き下げさせようという話であると、いろんなニュースは伝えている。
そしてその「携帯機種代金の値引き」の多くの部分が、日本の場合はiPhoneによって吸い上げられている。

理屈をこねるならば、携帯会社が値引き原資を機種変更に投下するか通信費に投下するかは、客の側から見るとどっちでも負担額は同じになる。
ただ機種変更の期間を伸ばして、今まで2年で替えていたのを3年使うと話は変わってくるだろう。
現在の料金システムでは、携帯会社は客が機種代金の支払を終わってもう1年使い続けると、機種代金の値引きサービスが無くなるのでそっちの利益が増える。
値引きサービスを考えると、そろばん上は機種販売代金の利益は無い。

だからドコモなどの携帯会社は、今の料金システムを維持出来るのなら本当は携帯電話販売をやらない方が儲かるはずだと思う。
でも各社とも機種変更にはたいへん力を入れており、実質ゼロ円販売は無くならない。
それってなぜなのだろう。

ちょっと考えてみたが何かずばりとした理由が思い当たらない。

ひとつ思うのは、当初はiPhoneをソフトバンクが独占販売していて、それで他社から顧客をごっそり引き抜いたという時代があったわけだが、それに対抗するかたちでドコモとKDDIもiPhone販売に追随した。
最新機への機種変は、他社乗り換えの重要ポイントなので結果的に各社はこのポイントで手を緩めることが出来ないというのが考えられる。

なんだか冷戦時代の米ソの核兵器による均衡みたいな話だ。

実際問題、iPhoneの販売は世界中で停滞しつつあり日本だけが対前年比でプラスの販売実績になっているそうだ。
通信料金を原資とした携帯の値引き販売は、「最新ガジェット好き」という日本マーケットの特殊性が産んだものではないか、という疑問も湧く。

個人的な想像としては、日本の多くのスマホユーザーは、新しいiPhoneがかなり好きな気がする。
だから通信料金が安くなって、その代わりに機種変代金が高くなるのは世論的には逆風ではないか。
総務省の目論見通りに、トータルでのスマホ代金が安くなれば世論的にはうれしいだろうが。

だから本当は総務省としては、まどろっこしいことを言わずにスマホ代金は「○○円」以下にしろ、と「行政指導」すべきなのであろう。
あるいはiPhoneの販売優遇策を規制すべきかもしれない。

でも行政が私企業の販売施策に過度に介入するような指導は当然ながら出来ない。

だから機種代金の実質ゼロ円を槍玉に挙げて、「不透明な価格体系」を盾に指導するのが関の山なのだろう。

つまりこの行政指導は、国民世論の人気を取るためのただのポーズなのではないか。
というのが今のところのこの問題に関するわたしの結論、ということにしておく。
posted by ヤス at 16:17| Comment(0) | 徒然なるままに