2016年10月10日

電通の若手社員の悲劇で思ったこと

東大卒の電通若手社員が自殺をしたという悲劇がニュースで流れている。
ついでにその社員の月間残業時間が105時間で、某大学教授が「その程度で自殺するのは情けない」とツイートして炎上するという事件もあったらしい。

その大学教授の肩を持つわけではないけれど、105時間の残業というのは命を絶つほどのレベルではないようにも思われる。
たぶんこの女性が自らの命を絶ったのは残業時間の長さが問題でなかったのだろう。
女性のSNS投稿によると、職場でかなりひどい扱いを受けていたらしい。
精神的に追い詰められた結果の悲劇であるようだ。

ブラック企業における過労死や自殺問題のニュースを聞くと、「そんなにひどい会社ならさっさと辞めれば良いのに」という疑問がどうしても浮かぶ。
そして実際問題としてブラック企業を撲滅するのにもっとも効果があるのは、やばいと感じた社員がどんどん辞めることだろう。
現実、通常ブラック企業では人の入れ替わりが激しく日常的に社員が辞めている状況がある。

それでもなお過労死とかが有るというのは、ブラック企業で働いている人の中に、職場での扱いや長労働時間が常軌を逸していても、なぜか辞めずにがんばってしまう人が一定程度いる、というところの問題だと思う。

過労死するまで働く人はなぜ辞めないのか、ということの理由は、ここで詳しく述べるほどに把握出来ていない。
理由は明確に断言出来ないけれど、そういうドツボの状況にハマってしまう人、というのはいると思う。

そういう人はおそらくある種の洗脳状態に陥っている。
自分が今辞めたら他の人に迷惑がかかる、上司に認められる一人前になるまではがんばろう、仕事はつらいが社会的に有意義だから続けないといけない、などなど、ドツボにハマった人は自分で自分を辞められない状況に追い込んでしまっているのではないか。

それは自己洗脳という側面もあるかもしれないし、たちの悪い会社であれば、意図的にそういう方向に追い込む「術」を駆使していることだってあるだろう。

だから今後過酷労働の問題を解決するためには、若い人が会社や職業に対する「正しい対峙の仕方」を身に付けることが大切だと思う。
少なくとも、「自分の命」と「会社の倒産」を天秤にかけた場合、これは絶対に「自分の命」を優先すべきだ。
それは社会ぐるみでそういう思想のベースを共有しないといけない。

同時に会社の方でも、というか社会全体で、もっと労働移動の流動化に対応しないといけない。
例えば今多くの会社では副業禁止が就業規則に謳われているけれど、今後は会社の方で副業を奨励するくらいになった方がいい。

副業禁止による懲戒処分を認める判例では、本業に影響が出るほど長時間副業する、協業関係にある副業、本業の信用を失墜させる内容の副業の場合などが副業禁止が有効な場合だという。
言い換えると、日本国民は憲法で職業選択の自由が保証されており、本来は職場をふたつみっつ掛け持ちしていてもかまわないはずだ。

会社の方でも、それくらいのバイタリティの有る要領の良い社員の方が貢献度が高くなるだろう。

そういうのが普通の時代が来れば、上記のような悲劇は無くなるではなかろうか、などと思った。
posted by ヤス at 15:05| Comment(0) | 徒然なるままに