2016年10月06日

映画「フューリー」をやっと観た

数日前にAmazonプライムでアメリカ映画の「フューリー」を観た。
ブラッド・ピット主演の、第二次大戦終末期、ヨーロッパ戦線の話だ。
2年前の作品で、有名な映画だから映画好きの人はもうあらかた観ているのかもしれないが、わたしとしてはやっと観た。

本物のティーガー1戦車が走り回り、機銃や戦車砲の発射シーンで曳光弾が飛び交い、ブラッド・ピットたちが、ドイツ軍から奪った短機関銃や突撃銃をぶっ放す描写が迫力満点。
戦闘シーンに限ってはなかなかよい。

しかし、ストーリーは非常に浅い。
あるいは状況設定のリアリティも、よくよく考えると説得力が薄い。
ドイツの降伏間近の状況で、アメリカ軍がドイツ軍の猛反撃で損害を出している、そこに支援の戦車を送るというのに戦車の数が絶望的に足りない。
実際の状況もそうだったのだろうかという疑念が拭いきれない。

いちばんの力技と思ったのは、最後のキャタピラが外れたシャーマン・ファイアフライ戦車とドイツ軍SS部隊の歩兵数百人との戦いである。
映画では壊れた戦車にこもったブラッド・ピットたちが奮戦して敵の大半をやっつけるわけであるが、実際の戦場で普通に戦ったら、歩兵は戦車の死角から近づいてパンツァーファウスト(携帯対戦車ロケット弾)で攻撃すれば数分でシャーマン戦車がやられる。

そこのところはリアリティを強引に曲げて、派手な戦闘シーンのエンターテイメントで乗り切ろうとしており、それはそれなりに成功している。
実際にはあり得ない戦闘内容ではあるが、観ていて手に汗握ってしまうのはハリウッドの力技の威力だと思った。

あと、セリフの中でたびたび聖書の一節を暗唱したり、仲間の死を悼んだり、つかの間の恋愛話が次の瞬間敵の砲爆撃で儚く散っていったり、ところどころに「ヒューマンな感じ」を散りばめている。


ハリウッドの映画は、邦画なんかと比べると桁違いの製作費が投じられる。
「フューリー」の場合はウィキペディアによると6800万ドルというから68億円くらいかけているらしい。
そして邦画の製作費は平均すると3〜4億円だという。
ハリウッド映画では製作費100億円以上もめずらしくなく、「スターウォーズ・フォースの覚醒」は200億円くらいだという。

邦画とくらべるとゼロの数が下手するとふたつ違う。
予算が潤沢なので戦争映画の戦闘シーンとかも、えげつないくらい徹底して作り込まれる。
本物と判別不能なCGを使ったり、「フューリー」のように本物の貴重なティーガー戦車が出て来る。

ただその反動でストーリーやリアリティは犠牲になって分かり易いエンターテイメントの方に大きく振れ勝ちになる。
そうなると結果的に映画が薄っぺらくなる。

そういう意味では同じブラッド・ピットの戦争映画では、タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」の方が吹っ切れていて断然面白いと思う。

ということで、映画の製作費がたくさんあるのも考えものだよなあ、と思った。
(「イングロリアス・バスターズ」の製作費は「フューリー」を上回る7000万ドルだったらしい)
posted by ヤス at 12:36| Comment(0) | 徒然なるままに