2016年10月04日

日銀総括検証について

先月の日銀の総括的検証はものすごく分かりにくかった。
いろいろな解説記事を読んでみたものの、ぼんやりとしか理解が出来ない。
よく理解は出来ないのだが、日銀の金融政策は今後どちらの方に進むのかとりあえず現在までの個人的な理解を整理しておく。

まずそもそもの「異次元金融緩和」は、アベノミクスの3本の矢の1本目として2013年4月に開始した。
ひとことで言うと、2年で2%の物価上昇を目指す政策、だった。
そのために銀行保有の国債を年間80兆円買い上げて「マネタリーベース」を2倍に拡大、それによって名目金利を押し上げようとした。

この政策のもっとも重要なポイントは、「2年間」の区切りが切ってあることだったのではないか。
当初、金融緩和は年間80兆円という規模もさることながら、「速度」ということがさかんに喧伝されていた。
2年間を区切って一気呵成に大規模緩和してインフレに持っていく。
つまりデフレを脱却する。

そういうことだったと思う。

2年の区切りには重要な意味がある。
まず、国債を買い上げると言っても、80兆円規模で何年間も買い続けると買うべき国債が無くなる。
市場の国債が希少になって流動性が低下し、国債価格が異常に高騰する。
国債の高騰は「金利の低下」なので、ぐずぐずやっているとデフレ圧力に追いつかれる。
だから、2年間でガバっと買ってどーんとインフレにして店じまいする。

それが当初のシナリオだったはずだ。

しかし2%インフレは実現せず、2年ですぱっと店じまいしたかった金融緩和が止められなくなった。
本来なら日銀は「当初の目論見は外れこのままのペースでの大規模緩和は継続不可能であり路線変更は不可避」であると白状すべきだった。

しかし正直に白状すると苦労して歯止めをかけていた「円高」が再燃し、株価は下がり、政府は大きな批判の的として晒されることになる。
だから、量的緩和の「断念」を「質的・量的金融緩和」という奥歯に物のはさまったような表現で煙に巻こうとしているように見える。

質的・量的金融緩和というのは、「量的緩和の断念」と捉えるのが正解だと思う。
つまり金融緩和政策の失敗を暗に認めた、そういうことなんだと思うのである。


個人的には大規模緩和策は無理筋の策だったと思っている。
しかしではどうすれば良かったのか。
あるいは今後どうすれば良いのか。

政府や日銀は「何もしない」でおくべき、というのが正解のような気がする。
何もしないとたぶん為替は円高に振れる。
日経平均も下落する。
製造業の輸出企業は再び採算が悪化し、東芝に続いて日立や三菱も経営危機に陥るかもしれない。

おそらく大規模倒産がいくつも発生することになるだろう。
しかしそれこそが結局のところ「構造改革」の引き金になるのではないだろうか。

日本が戦後何十年もかけてコツコツと貯めてきた金融資産がまだ残っているうちに、少々痛いが根本的な治療を行った方がいい。
そう思うのである。
posted by ヤス at 12:20| Comment(0) | 徒然なるままに