2016年08月23日

核兵器の先制不使用問題

オバマ大統領の核兵器先制不使用宣言の動きについて、大きなニュースになっている。
日本政府は公式には否定しているが、先生不使用宣言に反対なのはまず間違いないようだ。
日本と同じような理由により、韓国も反対のようである。

核兵器の先制不使用とは、敵国から核兵器で攻撃された時だけ「我が国」は核兵器を使用するよという意味であるらしい。
このあたりのニュアンスはちょっと分かりにくい。
逆に核兵器の「先制使用」主義は、通常兵器で攻撃された時に核兵器を使うことがあり得るということだ。
これはどういうことかというと、大昔の核兵器は大陸間弾道弾などが主力で、これらの核兵器をいったん使うと両国とも破滅的な結果になる。
だからこの時代のデフォルトは先制不使用にならざるを得ない。

しかし技術が進歩して、大砲から発射できる超小型核弾頭などが開発されて通常兵器並に使える低威力のものが出てきて、がぜん核兵器の使用が現実味を帯びてきたということがある。
そして、各国とも財政が厳しく大きな通常戦力を維持するのがかなりしんどい。
だから核保有国は通常戦力の軍事費を節約するために小型核兵器の抑止力を頼りたい。
結果、軍縮は進むが核使用のリスクは高まるという妙なことになっている。

だから今回のオバマ大統領の先制不使用方針に反対するというのは、より「使いやすい」現実的な小型核兵器の使用を容認する、ということである。

さらに、これもよく報道されているように、中国も北朝鮮もインドも先制不使用宣言している。
これは米露東西対立に一定の距離を置き、第三国グループを味方に付けたい政治的意向の結果であるらしい。
今回のアメリカ・オバマの不使用意向も、見ようによっては中国接近の動きに見えなくもなく、日本が反対するのは、米中接近に対する警戒のようでもある。

核兵器の先制使用を認めるか認めないかは、小型とは言え核兵器を「通常兵器感覚」で実際に使うつもりがあるのかどうか、あるいはそのつもりがあるように見せかけたいかどうか、ということのように思われる。

先制使用賛成派の国々は、軍事大国の狭間に位置する通常兵力的にに中小規模の国家が断然多く、ロシアも含めて軍事大国は先制不使用で構わないと考えているようである。
だから世界最大の通常戦力大国アメリカが不使用派になるのはある意味当然だろう。

核兵器の先制使用方針を堅持するとか、または曖昧にするとかいうのでも、事実上核兵器の使用にOKを出していることに変わりない。

唯一の被爆国日本は、これまでことあるごとに「平和国家のような」態度を示し続けてきたわけだが、今回オバマの核兵器先制不使用に反対するなら、今までがエセ平和国家だったということになりはしないかと、かなり心配する。
posted by ヤス at 14:01| Comment(0) | 徒然なるままに