2016年08月11日

尖閣諸島問題について

尖閣諸島周辺に中国の巡視艇と「漁船」の大群が押し寄せて問題になっている。
一部は領海内に侵入を繰り返しており、日本政府からは再三にわたり厳重抗議がなされている。

なぜこのタイミングで中国船団が大挙したのか、その意図についてはニュースなどを見ても明確には分からない。

近く中国で開催されるG20サミットで、フィリピンと争っている南シナ海問題から話題を逸らすため、という説をたびたび見かける。
そうなのかもしれない。
その場合、現状では南シナ海が中国にとっての主要目標ということになるのだろう。

尖閣諸島周辺海域に海底資源が眠っていてそれが狙い、という話もある。
が、現在推定されている資源量は案外少ないようで、中国が資源狙いというのは考えにくい。

それよりは、一党独裁体制の中国においては国内政治体制の維持のためには恒常的な国際緊張が必要なのではないかということを想像する。
外に敵を作って、その外敵との緊張状態をタネに政治的求心力を形成する、という構造があるのではないか。
そしてその外敵は、国境を接して過去に紛争もあったロシアやインドだと、敵として大き過ぎるということがある。
ロシアもインドも核保有国で、特にロシアは国連常任理事国である。
ささいなきっかけが発端で軍事衝突が発生すると大事になりそうだ。

その点、日本やフィリピンやベトナムは敵としては先の2国より与し易いのだろう。
いちおう日本は世界で上から5〜6番目に位置する軍事強国であり、日米安保もあってことを構えるにはあまり小さな敵とは言えないかもしれない。
しかし日本は専守防衛を国是としており他のどの国よりも実力行使に打って出る可能性が低い。

経済面などをダシにしてアメリカを中国側に引き付けつつ尖閣諸島周辺に侵入することで、十分に「安全」に緊張状態を作り出せると考えているのではないか。


それと海上における領有権の主張は陸上におけるそれより難しいのかなと思う。
陸続きで国境を接している2国間、例えば過去のドイツ・フランスなどでは、実際に国境線の画定をめぐり紛争が繰り返された。
しかしひとしきり戦争が終わったら2国間で条約が締結されて国境線が決まる。
そうなるともうそれ以上文句が言えなくなる。

その点海上の領土は早い者勝ちの論理(「先占の法理」と言うらしい)で一方的に領有を宣言するので、いろいろと理屈をつけて後から早い者勝ちを宣言する国が現れて問題化することになる。
昔なら戦争をして白黒つけることになったのだろうが今はそうもいかない。
日中は、ユニクロの例は言うに及ばず、すでに経済的にがんじがらめに結合しているので中国だってホンネでは戦争状態の生起など望まないに決まっている。

結局のところこの問題を根本的に解決する最大の方法は、中国政治体制の民主化だと思われる。
ただし、民主化して独裁強権体制が崩れると何か隠れていた他の問題が次々に吹き出すのかもしれない、そういう不安がある。

日本としてはフィリピンやベトナムなどとも連携しつつ、日米安保のメンテに精を出すしか今のところ対処方法がないようである。
同時に、中国の政治体制の動向も注視していかないといけないと思う。
posted by ヤス at 08:00| Comment(0) | 徒然なるままに