2016年08月07日

Amazonの読み放題について

アマゾンで電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」が始まった。
月額980円で和書12万冊が読めるとの触れ込みである。

早速30日お試し無料体験のボタンを押してみた。

考えてみると当たり前のことであるが、12万冊が網羅している範囲は案外狭い。
つまり読みたい本がなかなか無い。

AmazonでKindleとして電子書籍化されているのが40万冊だという。
すると今回読み放題の12万冊はKindle全体の3割に該当する。

ちなみに日本における年間の新刊本出版数はおよそ7万点であるらしい。
そしてリアルの書店で蔵書数最大は大阪梅田のMARUZEN&ジュンク堂書店で200万冊あるらしい。
この数字を念頭に置いてみると、Kindleのラインナップ40万冊とUnlimitedの12万冊はそれほど悪い数字ではないように思える。

ただしKindleもUnlimitedもコミックと雑誌が多いようだ。
単純にコミックと雑誌の出版に占める割合が多いということなのかもしれない。
だが経験的に感じるところでも一般の新刊本におけるKindleのカバー率はまだ低く、したがってUnlimitedはさらに低いと推測される。
だからUnlimitedでコミック・雑誌以外で読みたい本を見つけるのは今のところ難しい。
ウェブ上における評価も賛否両論だが、わたしが見た範囲ではやや「否」の方が多いと感じた。

ただしKindleは年を追うごとに点数がどんどん増えているようなので、Unlimitedもそのうち充実するだろうと期待する。

このようにまだまだ読みたい本が少ないUnlimitedであるが、もちろん現状でもメリットはいろいろあると思う。

Unlimitedの商法の基本パターンとして、複数巻ある書籍は最初の巻だけ無料であとは有料というのがあるらしい。
お試しサンプルの延長的な考え方だろうが、今まであまり興味のなかった著者の作品でも無料なら試してみるか、ということはあるかもしれない。
同様に、Unlimitedでたまたま無料で読んだ本が面白くて、それでファンになった著者の他の著作を有料で買う、ということもあるかもしれない。

だから読み放題サービスは、読者視点に立つと読書の範囲を広げる効果があるように思うし、出版側からは読者層を広げる手段として使える。
「読み放題」というサービスが可能になったのは電子書籍化によることは言うまでもない。
書籍の電子化は当初は単に本の収納が便利とかスマホでいつでも読めるとかの利便性にスポットが当たっていたが、出版マーケティングや読者の読書範囲に与える影響の方がより本質的であるのではないか。

あとどうでもいいことだが週刊ポストとか日頃わたし的に立ち読みしている雑誌が、紙版に少し遅れて無料で読めるようだ。
そうなるとコンビニで立ち読みする機会が減少し、コンビニの経営に少し影響があるのではと余計な心配もしたくなったりする。


ネットを見ていたら国会図書館の蔵書数は4千万冊らしい。
電子書籍のほんとうの潜在的機能は、物理空間の制約を受けずに出版点数を拡大可能なことであろう。
書店に並んでいる本がせいぜい数十万冊とか1〜200万冊であることを考えると、まだまだ電子書籍の未来の可能性は大きいように思う。

ただし電子書籍の利用率は全読書ユーザーのおよそ2割弱でしばらく頭打ちしているようだ。
人間の行動習慣が変わるのに時間がかかるという壁は意外に大きい。

ただあと10年も経てば生まれた時から電子書籍があって、スマホで本を読むのが当たり前の世代が増えてくる。
そうなると近未来のどこかで爆発的に電子書籍市場が拡大する時期が来るような気がする。
Amazonの株は買いかもしれない。
posted by ヤス at 13:26| Comment(0) | 徒然なるままに