2016年08月04日

ライカのプレミアム

さて、世の中にある高級品のお値段というのは、時にその値付けの根拠が理解不能のことがある。
例えばフェラーリやポルシェなどの高級スポーツカー、この手の車には2千万円とか3千万円とかの単位の値段が付いている。
この手のウン千万円の高級車を買おうと思ったことは一度もないわけであるが、しかしこう言うとなんだけれど、フェラーリのウン千万円の値段はわりかしリーズナブルなような気がする。

しかしもう一方にその値付け根拠について理解がむずかしい趣味の逸品があって、それはライカのカメラである。
中でも「ライカMモノクローム」というライカがある。
これはAmazonを見るとお値段が1,077,300円。
デジカメの世界では百万円オーバーは特に珍しくもないと思うが、こちらのライカは36×24mmのフルサイズ2400万画素センサーを搭載したレンズ交換式レンジファインダーカメラ。
同じようなスペックのカメラは、日本メーカーの一眼レフであれば15万円くらいから買えると思う。

しかも「ライカMモノクローム」はその名の通り白黒写真専用機。
カラー写真は撮影できない。
15万円のニコンやキャノンに比べると明らかな機能的欠落があるにも関わらず6〜7倍のお値段は一体どういうことだろうか。
ただし、カラー撮影用のカメラで撮った画像と比べるとライカMモノクロームの白黒写真は、鮮鋭度が革命的に素晴らしいらしいが、とりあえずわたしには値段ほどの違いは解読不能である。


フェラーリの値段がなんとなく理解できて、ライカのそれが受け入れがたいのは、ひとつには物理的な大きさの問題がある。
フェラーリの場合、重量がたぶん1.5トンとかで2〜3千万円だからキロあたり単価がせいぜい2万円。
対するライカは重量0.7キログラム程度で百万円なのでキロ単価がおよそ140万円になる。
世の中にはさらに2億円とか3億円の超スーパーカーもあるらしいが、それだってキロ単価では20万か30万円程度である。

そのように計算するとライカのプレミアム度は並み居るスーパーカーをも凌駕していると言えそうである。
しかもライカは冗談やはったりで値付けしているわけではもちろんなく、百万円オーバーの白黒専用機は商業的にもちゃんと成立しているのである。

ライカの場合OEM供給を受けていた中身はパナソニック製のデジカメを、ライカのバッジを付けることで数倍の値段に変身させていたという「実績」からも、ライカの各製品の粗利率は相当に高いことが推察される。




ところで話は全然飛ぶが、このところ日本では最低賃金を上げるとかブラック企業対策とか働き方改革とかいうことがよく話題にのぼる。
それらの日本人の賃金水準や労働環境の改善に関する問題は、突き詰めると日本企業の「プレミアム」創造能力の問題であると思えてならない。

日本の普通の企業がライカのようなプレミアム商品を作り出すことは簡単ではないが、そういう指向の企業が1社でも増えることが日本人の賃金水準を上昇させる唯一の方法だと考える。

ということで、もし手元に1億円くらいの余り金があったら、わたしもライカMモノクロームを2〜3台買ってもいいかなと思う今日この頃である。
posted by ヤス at 07:30| Comment(0) | 徒然なるままに