2016年08月02日

テロのマッチポンプについて

さて、日本国内は参院選だ都知事選だと騒いでいる間、つい注目がおろそかになっていたが世界ではISがらみのテロ事件が頻発している。
そしてニュースによると、今度は米軍が北アフリカはリビアのIS拠点を空爆したらしい。
リビアはカダフィ大佐がいなくなった後、おそらく統治的な真空状態になったところにIS勢力が入りこんだのだろう。

中東では、イラクをはじめとする人権抑圧的な独裁政権が倒れた後にIS勢力が入り込む、というお約束になっているようで、シリアのアサド政権なんかはロシアの後ろ盾により首の皮一枚で政権の命脈がつながっている状態だ。

先日クーデター騒動があったトルコも、もし強権的なエルドアン政権が倒れて下手に穏健派が国政を握ると、たちまちISの浸透を許してしまいかねない、そういう心配もあると思われる。


シリア地域のIS勢力は、ロシアの無差別的な空爆攻撃の効果によってかなり勢力が削がれているらしい。
しかしISがシリアやイラクの拠点を失うごとに、世界中のISシンパに「ジハード=自主的テロ」を呼びかける動きが拡大して、テロのリスクがより広範に拡散する事態を招いていて、この点なんとも難しい状況なのである。
特に、次なるテロリストの策源地となりそうなのが、中国のウイグル地区だと言われている。
中国も経済発展にともなって貧富の格差も急拡大し、その種の社会不安も大きいと思われる。
あるいは一党独裁政治に対する不満もたまっているかもしれない。
そこで不満分子を炊きつけるISの運動が浸透すると、アジア地域にもテロのリスクが拡大しかねない。

ただし中国政府は選挙もない非民主的な強権体制であり、かの国ではやや人権概念も軽視されがちで、おそらく多少の人的損失には頓着せずにテロ対策が行われることが想像される。
そういう意味では中国が非民主的な強権国家であることがアジア地域の平和に貢献するという構図が成立しうるわけであり、かなり皮肉な話である。

さらにニュースによるとロシアでもISのジハードの呼びかけが行われているらしい。
ロシアにおいても出血を厭わないIS対策のためにはプーチンの健在が欠かせない。

そうやって見ていると、強権体制が健在だからこそテロリストを抑制出来るのか、あるいは強権体制への不満が新たなテロリストを生産し、新たなテロリストの発生が強権発動のいい口実になるマッチポンプ構造になっているのか、これはこれでニワトリとタマゴみたいな話だ。

おそらくこの問題を解決する一番いい方法は、映画「インディペンデンス・デイ」のように宇宙人の襲来で地球人類が滅亡の危機に瀕することなのかもしれないと思う。
外敵の脅威を利用して内部の一体感を高めるのは人類の伝統芸能であるのかもしれないが、殺戮兵器の性能も向上している今日、なんとかもういい加減その方式は卒業出来ないものかと思うのである。
posted by ヤス at 08:55| Comment(0) | 徒然なるままに