2016年07月09日

思考の鋳型をAIで壊せるか

少し前のニュースに、日立製作所が企業の経営判断を支援する人工知能の開発に成功、というのがあった。

今のところ、会社の「経営判断」は人間がやっている。
同じようなラーメン屋でも経営している人が違うと片方は繁盛してもう片方は閑古鳥が鳴いたりする。

人間の経営判断には、ひとつにはこれまでの経験が大きく活用される。
そこに本を読んだり人から教えてもらった知識を混ぜて、その上でそれなりに理屈を考えて判断を下す。
だがまったく同じシチュエーションでも、異なる人が判断すると異なる判断がたぶん出てくる。

時々感じることがあるけれど、若い頃に地域一番の繁盛店で修行して毎日目が回るくらい忙しいのが当たり前の状況で育った人と、普通の店で育った人とでは考え方が全然違う。
例えば現在の一日の売上が5万円として、忙しいのが当たり前の店長ならなんで20万円に出来ないのかなあと思い、普通の店長なら7万円か8万円が目いっぱいかなと思ったりするかもしれない。

あるいは経営の内容についても、デザインや店舗の作り込みに力を入れる人、または接客サービスが再優先とか店はボロでもラーメンの味が一番とか、それぞれの経営者のスタイルが入ってきたりしてそれによっても判断が異なってくるだろう。
そのように、人間の場合は経験や経営スタイルによって思考パターンや目標設定の考え方に脳内にある種の鋳型が出来上がって、いったん出来上がるとその鋳型を壊すことがむずかしくなるような気がする。

その点人工知能というのには今のところ「経験」というのはない。
思考のスタイルについてはいくらか初期設定で変更出来るのかもしれない。
人工知能は世の中の出来事をビッグデータとして学習してそれを基に判断を下すわけで、おそらく人工知能の判断は人間の判断よりはかなりフレキシブルで、突拍子もない意外なアイデアが出てくるような期待がある。


おそらく今経営で困っている会社の経営者の多くは、長い経験上脳内に出来上がった鋳型を壊すことが出来ずにドツボにハマっている感じになっていると思う。
よく「発想の転換」をしないといけない、というのを念仏のように言っているオジサンが今でもちらほらいるけれど、そういうオジサンほどなかなか転換がむずかしいのはよくある話だ。

そんなことを思うと、人工知能による経営判断というのはひょっとしたらものすごい潜在的可能性を秘めているのではないか。
これが商業化されたら案外爆発的に活用されるのではないか、という気がしなくもない。


そして明日は参院選の投開票日だが、政治の世界にも人工知能を導入して、いろんな政治課題に対して思考の鋳型に囚われない機械の判断を見ることが出来るようになったら面白いだろうに、と少し思った。
posted by ヤス at 14:12| Comment(0) | 徒然なるままに