2016年06月18日

イチローの、遠目の目標

今期メジャーリーグで好調を維持するイチローが、ピート・ローズのメジャー記録4,256安打を超える「日米通算」での4,257安打目を打った。
またメジャーのみの安打数も2,979本であと21本に迫った。
メジャーで3,000安打した選手は過去に29人いるらしい。
そして唯一現役なのがヤンキースのAロッドだそうだ。
イチローが今のペースを維持すれば7月中には3,000本が達成できる計算になる。

今からその日が楽しみだ。

しかし「日米通算」が日米において議論を呼んでいる。
まず当事者のピート・ローズが、日本の記録を足して自分の記録と比較されることに不快感を表明している。
また他の選手の中にも日米の野球の違いから単純な合算は意味がないのでは、という意見があるようだ。
ローズの主張では日本の野球はレベルが低いからダメということらしい。
一例として近鉄バファローズ等で活躍したタフィー・ローズがメジャーではさっぱりホームランを打てなかったと言っている。
しかしこれに反論する意見として、イチローは最近のキャリア後半こそアベレージを落としているが、メジャーの前半期は日本時代よりかなりアベレージを上げているというのがある。
また、日本の打者はメジャーでなかなか結果を残せない選手が多いが投手は成功する率が高く、日本野球はメジャーに対し投高打底の傾向があるように見える。
また単純に日本の試合数はメジャーより少ないので20歳からメジャーで打っていればもっと早くローズ超えしていたという想像も成り立つ。

いずれにしてもレベルの比較を厳密に行うのは難しい。
ただ個人的には王貞治のホームラン世界記録よりイチローの方が世界記録には確実に近いと思う。
二つの記録の違いは、ピート・ローズが批判的態度であるのに対し、王の記録にハンク・アーロンは敬意を込めて祝福したというところである。


ところでイチローがすごいと思うのは、記録の節目節目で、他の選手ならしばらくバットから快音が止まったりするだろうに、イチローはそういうプレッシャーをほとんど感じさせず淡々と節目を超えていくことだ。
ニュースではAロッドと食事中に50歳まで現役を続けると言って驚かせたらしいけれど、このエピソードから、イチローというのは目標の置き方が、ちょっと遠目に置く人なのかなと思った。

以前に競泳の北島康介が何かで語っていたが、イメージトレーニングでもゴールタッチまでではなく、プールから上がって優勝インタビュー受けてサブプールでクールダウンして表彰式で日の丸を上げる、その辺までイメージするということを言っていた。

野球でも9回勝利目前のピッチャーが、あと一人、あと一球の場面で突然崩れることがあるけれど、たぶん、やれやれもうすぐ終わり、と思うその気持ちが手元を狂わせるのだろう。
イチローはあと8年間現役生活が続くと覚悟している(らしい)ので、年間100本としてまだ800本くらいはヒットを打つつもりで、だからあんなにクールなのかもしれない。
イチローの心中は不明であるが、目標を常に遠目に置いているのはたぶんそうだろうと思った。
posted by ヤス at 10:18| Comment(0) | 徒然なるままに