2016年06月17日

やっぱりリーマン前夜に似ている

1ドルが一時103円を記録し、このままなし崩し的に円高に振れるのではないか、それが輸出企業収益に悪影響を与えるのではないかという心配が日本を覆い始めたようである。
チラッといろんなアナリストの今後の円ドルレート予想を見たところでは、90円台に突入の人はほとんどいないようだ。
だいたい110円前後に落ち着く予想になっている。
これは、世間にあまりにも円高の予想が増えると、ドルを売って円を買う流れを加速しかねないので、なかば意図的に円安の方向に判断が寄っているということが想像される。

しかし円ドルレートは今後円安に戻るのか、このまま円高が進むのか。
個人的にはたぶん円高はもう一段進み、90円台突入は確実なのではないかと思う。

為替の指標に実質実効レートというものがある。
円の実質実効レートは、ドルも含めた各国通貨に対する総合的な価値を計算し、なおかつ各国のインフレ率による修正をしたものである。
日銀のサイトに2010年を100とした指数のデータが載っている。

image.png

グラフでは青い線が実質実効レートで、上に行くほど円高、下が円安方向。
実数を見てみると2016年4月が77.78。
この値は昨年の6月には67で、近年の最安値を記録していた。
これがどの程度の安さかというと、円安が対アメリカで大問題になっていた1985年のプラザ合意以前が70台前半から80台後半の値で、時々90を越えるといった程度だった。
それがプラザ合意後急激に円高になり123くらいまで上昇する。
そして1989年のバブル崩壊の当時には円高の揺り戻しがあって再び90台の円安水準。

バブル崩壊以降円高が一貫して進み、1995年に実質実効レートが150の史上最高値を記録している。
そこからは下がったり上ったりしながら全体傾向としては円安方向に下がり続け、小泉政権末期の2006年から歴史的円安が始まる。
この歴史的円安は円で資金調達してアメリカで投資する円キャリー取引拡大を誘発し、アメリカに住宅バブルが発生する。
2008年にこのバブルが崩壊する、いわゆるリーマンショックが起こる。
ちなみにこの時の実質実効レートは2007年頃に79を記録したのが円安ピークである。

そして現在の円安水準。
今月の実質実効レートはたぶん80くらいにはなっていると推測するが、つい2〜3ヶ月前まで74とかであり、昨年の円安ピーク時は67だった。
つまり1980年以降の36年間でこの直近数ヶ月がもっとも円が安い時代である。

これは直訳で読み替えると、日本の輸出企業の競争力は過去36年間で最低、という意味になるが電機業界は全滅したが自動車業界はまだ頑張っており、かなり納得できない。

いずれにしても現在の円の実質実効為替レートはある意味リーマンショック前夜の状況に似ている、というか少し超えている、ということが言えるのではないか、と思った。
posted by ヤス at 11:09| Comment(0) | 徒然なるままに