2016年06月10日

直立二足歩行と人類進化

陸上自衛隊の主力戦車は、1974年に正式化された74式戦車、1990年正式化の90式、そして2010年正式化された最新の10式の3種類になっている。
あと、コストダウンと運用簡便化などを目指したと思われる、キャタピラでなくタイヤで走る装輪式の機動戦闘車が開発中だ。
この機動戦闘車は今年正式化される予定で、そうなると16式機動戦闘車という名前がつくのだろう。

この機動戦闘車の特徴は優れた砲安定装置を装備していて、装輪式装甲車はキャタピラの戦車より走行中の安定性確保が難しいにも関わらず「走行間射撃」が得意なことであるらしい。

だいたい第二次大戦中くらいまでの戦車は、打つ時はほぼ必ず止まらないといけなかった。
走りながら揺れる状態で主砲を打っても、よほどの至近距離でない限り砲弾がアサッテの方向に飛んでまず当たらない。
しかし止まっている戦車は歩兵のバズーカ砲に狙われたり吸着地雷をくっつけられたりする危険性が増すし、敵の対戦車砲が狙う場合も走っているのより止まっている戦車の方が命中率が高い。
だから本来なら、戦場における戦車はなるべく止まりたくないに違いないのだが、戦車の仕事である主砲による攻撃を全うするためには、昔の戦車は危険を承知で止まって狙いを定めないといけなかった。


ところで、話は変わるが人間とゴリラやチンパンジーなど類人猿の身体の特徴の違いの最大のものは、おそらく直立二足歩行である。
チンパンジーなどは体の構造上移動する時は拳を地面に付けて四足歩行する「ナックルウォーク」をし、完全な直立二足歩行はできない。
最近インドネシアで70万年前の原人化石が見つかったというニュースがあったけれど、現生人類以前の原人たちも、脳みその容量はチンパンジーやゴリラと大差ないが直立二足歩行ができるという意味ではずっと人類に近い、ということが言えるそうだ。

つまり人類の進化は直立二足歩行が先にあって、その次に脳の容量が大きくなった。
直立二足歩行が先で脳が後、という話をある本で読んでいてしばらくその意味について考えていたのである。

脳容量の拡大は、手先を器用に使うこととかなり関係があるらしい。
手先を器用に使うということでは、チンパンジーも手の指が人間に近い形になっていて、例えば木の枝の葉っぱや小枝を除いてシロアリ釣りの道具を作るなど、簡単な加工作業もできるという。
ただしチンパンジーの場合、そういう作業はべったり座り込んで手を自由に使える状態にしないといけない。
しかし脳容量はチンパンジー並だが直立二足歩行できる原人なんかの場合、立ったまま手が使える。
あるいは歩きながら手が使える。
歩いたり走ったりしている途中に自由に手を使う芸当はチンパンジーには難しい。

でも歩きながら走りながら手が使える原人や現生人類は、例えば槍をもって走りながらマンモスめがけて投げる、なんていう芸当ができる。

走りながら手を使える能力は狩りをするのに役立っただろうし、不安定な中で手の動きを制御することが脳の発達にも何か影響したのではないか、と想像する。


優れた砲安定装置を装備した最近の戦車は旧式の戦車に比べると格段に強く、かつてのイラク戦争では米軍のM1エイブラムス戦車はイラク軍の旧式ロシア製戦車を一方的に撃破した。

走りながらバシバシ主砲を打つ新型戦車の強さが、直立二足歩行の完成度のより高いホモサピエンスが、そうでない原人や類人猿を駆逐していった情景と結びついたのだけれど、走りながら武器を使えることが人類進化の鍵であったのではないかという妄想が膨らんだお話でした。
posted by ヤス at 13:18| Comment(0) | 徒然なるままに