2016年06月07日

お化粧の謎

多くの女性は化粧をする。
これに対し多くの男性は化粧をしない。
いったい化粧とはなんなのだろう、という問題がふと頭をよぎった。
わたしもそこそこの年数を生きてきたおじさんであるが、幸いなことに(あるいは不幸にも)化粧を一度もしたことがない。

しかし世間の女性は化粧をするのに、なぜほとんどの男性はしないのか。
ただし、歴史を振り返るとお公家さんとかは男でも化粧を塗りたくっていたようである。
また、沢田研二に始まり、聖飢魔IIのデーモン閣下やゴールデンボンバーなど、ビジュアル系の音楽アーティストは化粧する。


ここで落ち着いて、化粧の何たるかを考えてみる。

まず、化粧すると素顔からは見た目がかなり変わる。
人によっては本人確認が不可能になるほどである。
「化粧」というほどであるから、やはり何かに「化ける」という作用がポイントなのであろう。

昔のお公家さんであれば、天皇に近侍する貴人としてのオーラを醸し出すために、また武家と違って実力行使を行わない公家は、もっぱら呪文や祈祷が仕事であって、そのように鬼神に仕える職業柄から、人ではない何かに化ける必要があったのかもしれない。

この構造はビジュアル系アーティストでも同じかもしれない。
彼らはステージの上では人ではない何かに変身していて、そのついでに化粧によって顔の表情も作り変えているとも考えられる。

そう言えば美輪明宏やマツコ・デラックスなど、「おねえ」の方々で元は男性に生まれたという人々も、比較的化粧をしている印象が強いのだが、例えばおすぎとピーコなどはあまり化粧の印象がない。
このあたりの嗜好の違いはどういうところから生じているのだろう、少し気になる。

また1992年に中国を旅行した時、天安門事件の3年後で経済自由化が進行中の時期だったが、まだ化粧っけのある女性は少なかった。
それがもう何年も前から、日本の化粧品は少々高いけれど安全でよいというのでバカ売れしているという話を聞いたことがある。
化粧をするのもタダでは出来ない。
したがって経済的豊かさも、化粧の一般化にかなり影響するのだろう。


何年前からだろう、「化粧顔」の対語としての「すっぴん」という単語をよく聞くようになった。
おそらく今では多くの女性がすっぴんのまま人前に出ることがない。
つまり少なくとも人前では常に化粧顔のわけで、その場合、化粧顔が本当の顔なのか、すっぴん顔が本当なのか、そういうアイデンティティ危機が生じてるのではないか、というのが人のことながら気になってならない。

ということで、化粧するとはどういうことなのか結局よく分からなかったなあ、というのが今日の結論。
posted by ヤス at 13:09| Comment(0) | 徒然なるままに